Write to Do the Right Thing

I create things and write about them here as well as other stuff. Views are always mine.

Last Word いまちょっと考えていること

3月の頭に出た『英語ライティングルールブック-基本を学び構成力を養う』(Amazonの表示ではこういうタイトルになっていますが,本当は『基本を学び』からはじまるのが正しいタイトルです)はネットでは売れているようですが,まだ市場には大きな本屋を除いては出回っていないようです.春先になって始まる語学フェアで全国の書店に並んでいくことを期待します.

ところで,前にも書いたように,ぼく個人は,今も将来も日本人の殆どがこの本のレヴェルをマスターするべきとも思っていません.それは見果てぬ夢だと思います.人によっては熱く日本の英語教育を語る人もいますが,ぼく個人は高校卒業時にネイティヴからみても英語ができる人からみてもかなり低いレヴェルで必要が生じたときに片言でちょっとしゃべれればそれで充分です.正確に英字新聞やペイパーバックを読むことや英語での論理的な表現(これはcritical thinkingのことですか?)なんて,高卒はおろか大卒だってみんなに要求することなんてできるわけがないでしょう.

いま,上に「みんな」って書きましたね.で,「みんな」っていうのは当然,相対的に「相当」できない人も含むわけです.だから,それを考えたら,当然,「片言でもしょぼい会話ができるようになること」が現実的だと思います.ぼくはここでの考え方は一貫しています.前,「今日やったことを朴訥な英語で話せない人がデモクラシーを語るなんてさらさらおかしい」とどこかで書いたはずです.まずは「知的な英文が読めること」と思ったことはありません.語彙で考えても,GSL (General Service List)がAWL (Academic Word List)より当然先にくるわけですよね.この基本語の習得を無視して,教養を深めるための深い読みを目指す昔ながらの英語教育もできやしないディベートやプレゼンを掲げる改革派もおかしいんじゃないか,といいう印象しかありません.

でも,これは「みんな」を相手にしたからで,この中でできる人,20人や100人に1人,どういう人材が必要なのかといえば,それは英語がフツーに使える人でしょう.

さて,ここでわざと日本語の論理に立って少し外れた書き方をします.ぼくはテレビや新聞を読まないので詳しくは把握していませんが,いま「森友学園の問題」が国会で取り上げられていますよね.で,去年もこの話題があがったときに,火付け役となった『日本会議の研究 (扶桑社新書)』の著者・菅野完(すがの・たもつ)氏という人がいるのですが,ぶっちゃけて書いてしまえば,彼の書き手としての能力が同じ対象を取材した物書きよりもずば抜けて鋭いのは英語ができるからです.あくまで憶測に過ぎませんが,世界基準のフリをして適当な言論をしているリベラル・保守を問わない御用学者たちよりもずっと英語ができるはずです.上掲の著書の日本語を見ても(いっさい英語とは関係がないが),英語ができるんだろうな,というのはちょっと鋭い人ならわかると思います.

で,政治家や官僚とかエリートビジネスマンのようになる人ではなく,ごくごくフツーのフリーターだったり,主婦をしていたり,小さなお店を経営していたりそういう人のなかでポツンとこの菅野氏クラスの英語の使い手が現れればいいな,と思ったりします.まあ,それはさっきもいった「20人や100人に1人」という話なのですが.『英語スピーキングルールブック−論理を学び表現力を養う』(本当は「論理が」からが枕です)はそういう人たちの基礎力ぐらいのつもりで書きました.最近,3刷が決まった『「意味順」で学ぶ英会話』とは対象が違います).

まあ,ただ,そういう卓越する英語力の基礎は何か,というとやはり単語力なのですが.いや,語句の意味を覚えていることじゃなくて,イメージが体感として分かっていて,その後を含んだごくフツーの表現を自分で生み出せることです.そういえば,まだ目にしていませんが,こういう本もでましたね.

国際標準の英単語 初級

国際標準の英単語 初級

 

 

どうでもいいこと:

このブログは近いうちに閉鎖します.今後はまた新しいブログを立ち上げるかもしれませんが,すぐにとはならないでしょう.いまはどうしても書きたいいくつかの本の企画を通すことで忙しいし,少し違うことを考えたいからです.読んでくれたみなさんありがとうございます.

とりあえずは,ぼくが管理しているアカウントではないですが,TOEICやビジネス英語の超基本語彙を扱った@BasicTOEICVocabTwitterでフォローしてください.書籍用じゃないので少しデータが粗いですが,学習用の例文と紹介しているネイティヴが作った見出し語の英語をよーく読むと初級者以外の学習者も良い勉強になるはずです.

 

General to Specific AND Specific to General 求められるのは応用性の高い実用スキル

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愛場吉子さんの新刊をご恵贈いただきました.プレゼンの本ですが,語学的な要素のポイントも多すぎず,少なすぎず入っているのでプレゼンそのものをする機会が少ない人でも学ぶことはいろいろあると思います.

例えば,

これから話すことの前置きをする➡︎メインメッセージを伝える➡︎詳細を説明する,というステップはパラグラフ構成などの英語の論理展開そのもので,プレゼンに限ったものではないからです. まとまった長さを話すとか書くとか,そういう作業にも応用できるはずです.このように英語の学習が現場に必要なスキルを身につけられるものであることが望まれる一方,特定のスキルの学習が別のコンテクストでも使えるような応用範囲の高い英語の原則を学ぶことにもつながっていくことが求められているようだな,なんてちょっと思いました.

あと,本のデザインがいいですね.初級者用の本はまだ目立つようにするというのはわかりますが,上級者用の本はやっぱりシンプルで派手でない方が,印象はいいと思います.と考えるのはぼくだけかもしれませんが…