Write to Do the Right Thing

I create things and write about them here as well as other stuff. Views are always mine.

Let's calm down. 焦ってもしょうがない

 最近はいろいろな意味で熱くなっている人をよく見ます.直接見ることもあれば,間接的に目にすることもあります.たとえば,リーダーに対する不満から,そのリーダーを引きずり降ろそうとする人がいます.あるいは,自分が関心があることがらを広めようとする人もそうです.でも,個人的には賛成する部分があっても自分は滅多にそういう人たちと共同戦線を張ることはありません.その人たちが自分が周りからどう見られているかの見えてなさが気になってしょうがないからです.誤解のないように書いておきますが,人を巻き込まない限り,周りを気にすることはまったくないわけです.べつにスナフキンビートルズを引くまでもなく自由に行動すればいいと思います.だけれども,人を巻き込んで運動をするときに自分が周りからどう見られているかを的確に判断することなしに,賛同者を増やすことはできません.そこがわかっていない人の運動にぼくが乗ることはありません.

 でも,書きたいことはそれではないんですね.現状が壊れることをひどく恐る現状維持派(抽象的には保守派ともよぶことができる)も現状を憂い変化を臨む改革派(もちろん,抽象的には革新派だが,かならずしも政治的な左派を意味するわけではない.innovationを望む人の多くは,規制撤廃派=経済的古典主義者=保守であることもあります.こういう人はリベラルということばをすごく嫌います)ももっと落ち着こうよ,と時々思います.

空は終日曇らず (集英社文庫)

空は終日曇らず (集英社文庫)

 

この上の小説の主人公になっては,決してよい結果は出ません.ぼく自身がこういう感じになっているときはうまくいったためしがありません.クリティカル・シンキングの基本である多くのオプションに目を配れるようにするには熱くならずにクールに現状を見つめることがいちばん大事だと思います. 

What looks easy is often difficult 続々・語彙学習の誤り

 この本はぼくにとって大事な本です.すっかり置いてある書店は減ってしまいましたが,Amazonでは割といい位置をキープしています.

英語スピーキングルールブック−論理を学び表現力を養う

英語スピーキングルールブック−論理を学び表現力を養う

 

 ただ,これはむずかしくてというのが大半の学習者だと思います.中身を詳しくは知りませんが,『(MP3音声無料DLつき) 英語ライティングの原理原則――テストに強くなる、レポート・論文で評価される』という本が出るということは出版社が同じなので,前から聞いていましたが,この本もそんな扱いになるかもしれません.

難しいのは,マクロスキルについての本を書くとミクロが足りないのにどうするんだ,という学習者(を相手にしている人)が出てくることです.でも,だからといってミクロだけを単独で追いかけもしょうがないし,それはそれでミクロをどうするかの問題でしょ,とも思ったりもしますが,なかなかそう考えてくれる人はいません.

即戦力がつく英文ライティング』の日向清人先生が『クイズでマスターするGSL基本英単語2000』をお書きになったり,そのフォローアップをしているのを真似するわけではないですが,ぼくも少し語彙をどうするかということに興味をもってきました.できれば,近いうちに語彙の本を出せればと思っています.まずは『はじめてのTOEIC® L&R テスト きほんのきほん』(この本も大事な本です.初級者はできればこれからはじめてください.『公式問題集』やその他の有名な人が書いた本はいい本ですが,初級者には向かないものがほとんどです)の語彙版のようなものを.いまは出版社を探しているところなのですが…

初級者の人はまず騙されたと思って,このアカウント(https://twitter.com/BasicTOEICVocab)をフォローしてみてください.

twitter.com

 

What looks easy is often difficult 続・語彙学習の誤り

Basic TOEIC Vocab (@BasicTOEICVocab) | Twitter

引き続き,知り合いが運営しているこの初級者用語彙アカウントを薦めておきます.

見てもらえばわかるように,いまのところほとんど機能語(function words)ばかりですよね.でも,こういうのってけっこう単語を知ってたり,それなりに読めたりする人でも穴になっている部分なのでここを抑えてほしいんですよね.

あと,例文の中に出てくるほかのやさしめ単語をしっかりマスターしてほしいところです.この部分もかなり練りに練ってあるはずです.TOEIC初級者として学ぶべきもので無駄なものはほとんど入っていません.意味が定着しやすくなるように,例文の内容はTOEICのセッティングより少しやわらかめになっているはずですが.

 

What looks easy is often difficult 語彙学習の誤り

 光栄にも玉木史恵さんにここで下の本をご紹介いただきました.有難うございます.

はじめてのTOEIC® L&R テスト きほんのきほん

はじめてのTOEIC® L&R テスト きほんのきほん

 

 この本のひとつの特徴に,辞書なしで済むように詳細な語彙リストを入れていることです.でも,この本でも難しいという入門者・初級者はいると思います.で,そういう人はおそらく単語集を買って学習しようと企(たくら)むんですね.でも,それはたぶんあまり成果がでないと思います.

なぜかというと,単語を文脈から切り離して覚えることもさることながら,入門者や初級者,TOEICで恥ずかしくて点を公表できないとおっしゃる学習者のほとんどはそういう頻出単語集の中には入っていません.だから,やっても効果があがらないと思います(頻出単語集が悪いわけではないです.ただ,相性が悪いと云っているだけです).

そういう学習者が穴を抱えているのは,いちおう見たことはあるけれども使い方を知らないやさしい単語です.そういう語をうまく入れた単語集はあまりないんですね.中学生用の単語集も悪くはないでしょうけれども,例文があまりにずれているので,学習者はその例文が自分の学習すべきことと関係ないように感じるんですね.だから,なかなかそういう教材をやる気にはなりません.また,中学生用の教材というのはどうしても作り手がまだ子供と思って教材を作っているので大人が目を通すと英語がどうとかという前にちょっとやな気分になることもあると思います.

で,そういう人たちでまだ『きほんのきほん』さえまだやる気にならない,あるいはこのアルクの通信教材ではお値段が…,という人のために,語彙学習用のTwitterアカウントができました.これです.アカウントの管理者はぼくではありませんが,ここに載せている語の元データをつくったのはぼくです.だから,内容を知っています.いまは最初なのでVocabulary ProfileというサイトでCEFRのレヴェル分けでA1になっているものから紹介しています.ばかにするな,と思う学習者もいるかもしれませんが,まずはこれらの語から騙されたと思って足元を固めるのが実は早道なのです.例文はなるべくTOEICを受ける社会人や大学生にとって手頃なもの,見出し語以外の語やセッティングもTOEICを意識しています.こちらのデータにある語をすべて紹介するにはものすごい時間がかかるかもしれませんが,入門者・初級者の人はまずフォローして例文を眺めて,頭の中でなんども反芻(すう)する習慣をつけてください.中級者以上の人は周りの入門者・初級者に勧めてください,あるいは全部例文を覚えてみてください.上級者や英語教師の人はなぜこの見出し語や例文が選ばれているかを考えてみてください.

まあ,最終的には『きほんきほん』の売り上げにつながってくれればとぼくとしては思っていますが,タダなので騙されたと思ってご笑覧ください(タダなので,例文に訳をつけろとかいうリクエストをアカウント主にしたりするのはやめてくださいね.タダの意味をご理解ください).

Just mentioning cohesion and coherence wouldn't put you in the right direction.「つながり」と「まとまり」に意味なんかない

突然変なことを書くようですが,人は何かを狂ったように信じ,そしてそれに裏切られ,にもかかわらずまた別の何かを信じ,そして裏切られ,ということを繰り返していく存在です.普通の人はそれに矛盾を感じたりはしません.自分がいま何かを信じているがゆえに反吐(へど)がでるように嫌っているものをかつては固く信じていたということがあるのが普通の人間なのだと思います.よく新聞などを賑(にぎ)わす悪人のように叩かれている人も,ちょっと昔の価値観では普通に受け入れられていたものをして糾弾されているということもあります.価値観が時代によって変わっていくこと自体は自然で,昔では許されていてもいまはダメということ自体はわかります.でも,ぼくは普通の人間ではないので,あたかも昔がなかったかのようにいつも自分が中立かあるいは正義の側にいるような人間が好きになれません.

クイズでマスターするGSL基本英単語2000

クイズでマスターするGSL基本英単語2000

 

でも,よくよく考えてみると,普通の人というのは,なにも悪気があってそういう振る舞いをしているわけではないんですよね.でも,どちらかというと誰かがつくったのか,あるいは神様がいるのか,自然に生じるのか,大きな運命の流れがあって,自分でも知らないうちにそれに従っているだけなのだと思います.物事を俯瞰(ふかん)できる人間なんてそうはいません.だから,やたらとサッカーで中田氏や遠藤氏が中もお腐れたわけです.話がちょっとそれましたね.

たぶん,英語が話せないとかわからない,とかもそういうのがあって,だから,俯瞰した位置から英語のコミュニケイションを記述した方がいいのかな,と思って,自分なりに調べたり,経験上まとめたことを本にしたのですが,でも,正直,やっぱりそれだけではだめなんですね.というのは,どう考えてもマクロスキルというのはミクロスキルと上手い具合に相互に関連しあっているので,どちらかに偏り過ぎても結局ダメなわけです.

だから,「つながり(cohesion)」と「まとまり(coherence)」というのはそれだけではいくら念仏のように口にしても,あまり意味がないわけです.下手をすると一方的な英語がわかっている人がわかっていない人に対する余計なお世話的な講釈をすることになるのではないかと思ったりするようになりました.

で,何が重要なのかというと,やっぱり思うに,語彙とリスニング(それも基本的な音声のルール)あたりだと思います.詳しくないから知らないけど,たぶん.ただ,2つ上のパラグラフにあるように,マクロスキル(あるいはコミュニケイションの実際)が見えていない人がつくったミクロスキルのモデルを追いかけてもだめなんですよね.結局,できの悪い,不揃いの道具を数だけ集めて,必要な作業ができないことになりかねません.きちっと最初から,語彙や発音といった知識の習得が英語の世界につながっているような教材があるといいんですけどね.

で,なぜ,タイトルに「『つながり』『まとまり』に意味なんかない」と書いたのかは,細かい点は,ご想像におまかせしますが,どんなbuzz wordも意味なんか本当はありません.「アクティヴラーニング」とか「明示的説明(explicit instruction)」とか「豊かな学び」とか「クリティカルシンキング」とか「自律的学習者(learner autonomy)」とか「共同学習(collaborative learning)」とか「訳読の復権」とか.それは,対立軸を政治家が選挙のために出すぐらいの意味しかありません.ここの学習者が自分に必要な英語に触れ,そこから学ぶこと以外はすべてが幻想です.その際に,新しいものを取り入れるために,自分が持っているものを完全に否定はしないけれども少しずつ壊していくステップのためにこれらの幻想があるに過ぎません.ぼくがいまそれなりに信じている幻想もその程度だということです.まあ,幻想だからといってそれが無駄とも云えないのですが.

Beginners do not need a dictionary. 初級者に辞書はいらない

国語の先生と同じように熱心な英語の先生は学習者が英語ができるようになる過程として辞書の使い方を学ぶことを重要視している人がけっこういるようです. 

はじめてのTOEIC® L&R テスト きほんのきほん

はじめてのTOEIC® L&R テスト きほんのきほん

 

 面倒なので多くは書きませんが,いまは学習英和辞書そのものが90年代ごろに較べてガンガンとだせるような環境ではなくなってきましたが,それでも昔に比べるとコロケーションを入れたり,核になる意味をまとめたりと使いやすいものになってきたと思います.

でも,私見を述べれば,入門者・初級者段階では辞書なんかいらないと思います.というかかなり工夫された辞書をつくったところで,学習者は使いこなせないからです.辞書を引くのは基本的にただの作業になってしまうぐらいならば,その作業に使う時間を学ぶべき英語を取り入れるために読み返したり,口ずさんだりしたほうがいいと(あくまでぼく個人としては)思っています.

だから,国際語学社からでたころから『きほんのきほん』では語彙リストをつけています.それもどうせすぐ覚えられないだろうと思って,何度でも同じ語句を紹介しています.たとえば,want X to do なんて何度入れたかわかりません.後ろのほうに行ってもまだ覚えていなければまた見ればよいと思っているからです.どうしても覚えなければならないすなわち再頻出語であれば,この本のなかで何度も何度もでてくるので違った文脈で何度も何度もそうして出会うほうが,自分に関係ないかもしれないことを含めて辞書の説明を読むよりも英語力がつくと思います.

それでも覚えられないというのであれば,問題はやらなくてもよいので,テキストにでてくる会話やトークやパッセージをもう1度聴いたり・読んだりしてみてください.

中学校の検定教科書はよく批判されますが,大概教科書のいちばん下かよこに新しくであう語がまとめてあって,さらに本の一番最後に意味とともにでてくる単語がまとめられているという本のつくり自体は非常によいと思います.なかのテキストが覚えるに値する英語にさえなっていれば(これが語彙・文構造の制約があるときついのでしょうね.ぼくはあまりやりたくありません),こういうつくりのテキストは入門・初級者向けとしては非常によいものだと思います.

ということで,この本は「TOEIC初受験の人に」というよう勧めてくださる人が多く,それはそれでありがたいのですが,どちらかというと受験回数はあまり関係なく英語に自信がなくて(何か事情があって)TOEICを将来的に受験する(ことを考えている)学習者に使って頂けたらと思っています.版元がうつって,新形式対応になってたぶん新たに1万語近く書き下ろしたと思います.だから,全体で2万3000語ぐらいはいくこの本の中で1000語程度の基本語(GSLなどの2000語制覇はまだ先です.まず欲張らず最初の1000語ぐらいから)に2度3度と云わず,5回から10回出会ってモノにしていただければと思います.

Gone to Second Print! 『800点攻略ルールブック』が!

アイドルが使ってくれたせいか,第2刷(「だいにずり」と発音するようです)に進んだようです.まあ,よかったよかった.

bb-plusblog.hatenablog.com

はじめてのTOEIC® L&R テスト きほんのきほん』のほうもできるだけ早く増刷してほしいと思います.これはもう少しかかると思います.