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Write to Do the Right Thing

I create things and write about them here as well as other stuff. Views are always mine.

Tastes differ. あくまで個人的な好みの話ですが

また少しだけ趣味というか好みの話をします.

職業上,赤ペンを使って添削をすることが多いのですが,普通に書くときは青の油性ボールペンを使うと決めているのですが,赤入れの時はなぜだか水性を使いたくなります.

で,水性ボールペンというのは減ってきています.仕方なく,ここ数年,gel(日本語ではゲルですが,英語ではジェルに近い音です)式のインクのもので代用していましたが,やっぱりしっくりこないんですよね.編集の人はパイロット フリクションボール ノック 0.5mm レッド LFBK-23EF-Rなどを使う人が多いようです.消せるから.でも,書き味をぼくは気にするので好きになれません.SARASA SEの0.5をよく使ってきたのですが,多分もう生産を日本ではしていないと思います.で,代用で使い始めたこの2つがイマイチでした.

ゲルインクボールペン セルロースナノファイバー (0.5mm) ユニボールシグノ307【赤】 UMN

ゲルインクボールペン サラサ ドライ (0.5mm) 【レッド】 JJ31-R

で,色々考えた挙句,せっかくなら基本の基本に戻ることにしました.ゲルインクではなく水性のものを使います.で,今ぼくが使っいるのは,一番下に乗せた写真のものです.

アメリカからダースで取り寄せました(我ながら馬鹿ですね).日本のパイロットのものなのに.取り寄せた理由は,なかなかRetractable(押して芯を出す式のもの)で,ペン先が気に入っていて,かつ水性というのがあまりないので,こうなりました.ちなみにRetractableという条件を捨てるならば,これがあります.

あとはこれがあるんですが,ほんのちょっとなんですが,ペン先の形が違うために描きにくいんですよね.

 

ということで,みなさんもよかったら水性ボールペンを使うようにして見てください(ひどいお願い).で,下のペン(PRECISE V5 RT)がフツーに日本で売っているようになることを望みます.無理かな. 

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Swedish rocked. スウィーディッシュ・ポップのあの頃

 

デトロイト・メタル・シティ スタンダード・エディション [DVD]

デトロイト・メタル・シティ スタンダード・エディション [DVD]

 

この映画も古くなってしまいました.松山ケンイチ演じる主人公が本当に好きな音楽はメタルロックではなくスウィーディシュ・ポップという設定です.しかしスウィーディシュ・ポップなるものが流行ったのはそれよりもはるか昔の話です.確かthe Cardigansというアメリカでも流行ったバンドに注目が行くようになって,確かカヒミ・カリイという女性アーティストが推薦文を書いていたCDをぼくも都内の多分いまは亡き大きなイギリス資本のお店で買いました.そういえば,その頃はフランス語の勉強をしていて挫折しかかっていた時期です.外国語の勉強は苦手だし,同時に日本語も嫌い,というのはいまと同じです.

雰囲気づくり

雰囲気づくり

 

 でも,実のところをいうと通の人は彼らよりもCloudberry Jamというバンドが好きだったんです.少し暗い感じがして,acid jazzっぽい音だからでしょうか.確かにvocalの女の子は若き日のWinona Ryderみたいに可愛かったのですが,ぼくはそれほどハマった感じはありませんでした.代わりにPine Forest Crunchという今でいうガールズバンドのようなグループを密かに推していました.もちろんぼくの本と同じで,当時好きだった音楽で売れたものは皆無です(おいおい…)

Popsicle

Popsicle

 

 ただ,今でも聴き,口ずさむスウィーディッシュ・ポップはPopsicleというバンドです.これは当時コンビニでバイトしていて,Studio Voiceみたいな雑誌を読んでいるちょっと進んだ男の子が聴いていたのを真似て,聴いたらバッチリハマった感じです.とくにNot Foreverっていう曲.結局,ギターの軽快なサウンドとそれに合わせた自分では歌えないような早口のvocalが入った曲が好きなだけという気もします.

Money talks. コストを無視するのは良くない

 

アイドルがTOEICを受験したようなので,ぜひ900点とかをとって(なぜかハードルが上がっている the bar has been set higher)欲しいところです.そういえば,井上大輔さんの動画を見たらしいのですが,ぼく自身の多分英語を身につけるためのメソッド的なものはあまり似ていません.多分.

 とは云いながら,時々推しているのは,ある程度合理的に,冷静に事態を見つめようという態度が感じられることなんですよね.例えば,英語教育の大改革をしようとしている人と,その改革で危機に瀕しているとか云っている人たちがいますね.ぼくはどちらにも乗る気はありません.ハッキリいえば,興味もありません.発言の内容よりもまず全然,ごく普通の人が英語教育というのを正しいかどうかはともかくどう考えているのか(ほとんど何も考えているはずはないです,政治と同じです)がまるで見えていないで,脳内に存在する「世論」を受けて戦っているつもりの意味では,どちらも似たようなものです.

最もそれが具体的に現われている部分はお金に対する考え方です.井上大輔さんは下のようなタイトルの本の中であえて「教材というのは生の素材を使えない人のために加工するための人件コストがかかっている」いうことをハッキリ書いています.教材の出来・不出来の問題より前にまずこのコストを見るビジネス感覚,とそれをフツーの人に英語ができるのに必要なコストの意味を説くあたりはさすがだな,と感じされられます.

お金をかけずに英語を学ぶ方法

お金をかけずに英語を学ぶ方法

 

 下の本を紹介しようと思いましたが,書くのに疲れてきたのでこの辺で.

 

Unserstanding English Paragraphs -Improving Reading and Writing Skills-

Could be a bit critical... Critical thinkingという高い壁

このどうでもいいニューズが流れたこといま知りました.以下引用します.

大学入試新テスト 20年度から実施へ

日本テレビ系(NNN 5/16() 16:39配信

 文部科学省大学入試センター試験に代わる新テストの実施案を公表した。

 

 センター試験に代わる「大学入学共通テスト」(仮称)は、2020年度から実施予定で、日程は今と同じ1月中旬の2日間。大きく変わるのは英語で、今のセンター試験を「英検」や「TOEIC」など既存の民間試験にすべて切り替える案と、導入から4年間は、センター試験の形式を残し、大学ごとに民間試験かセンター試験形式かを選んだり、併用できる案があり、来月中に方針を決定する。

 

 民間試験の場合は、高校3年以降の4月から12月に2回受検可能とする。一方、国語と数学はマークシートだけでなく記述式も導入される。

 で,予想される如く,この民間試験にTOEICが含まれていることに「あのテストは頭を使うことを要求されていない」と疑問を呈す人が出てきたり,この毎日新聞の記事のように以下のような意見が述べられたりします.

高校の授業が「検定対策」になる恐れがある。学習指導要領に完全に対応していない試験が選ばれる可能性もあり、「高校3年間の学力到達度を測る本来の趣旨からは外れてしまう」と懸念する声も少なくない。

 2回という受験回数の上限は高校3年しか適用されないため、1、2年の「試し受験」が横行する可能性がある。私立中高一貫校で英語を担当する30代の男性教諭は「民間試験には高得点のコツがある。1、2年での練習が欠かせず、金をかけるほど本番で良い結果につながる」と明かす。

この英語センター試験が外部試験に移行していくという案に関して,賛成する人と反対する人が出てくるのは自然なことなのですが,どちらの意見もなんだかおかしくて,というレヴェルのものだと思います.

世の中の英語教育関係者には,日本の英語公教育が4技能をバランス良く取り入れたものになったものを目指すこと自体も苦々しく思っている人がいるのかもしれませんが,正直これくらいは仕方がないことだと思います.まあ,この前提が嫌いな人は無視してください.

で,その前提に立ったとして,基本的に公教育が行なわれる英語の教室現場で,今まで読みが多かったとするならば,「聴く」をもっと増やした上で,読んだり,聴いたりするぐらいの前後で,ちょっと話したり,書いたりするactivityを取り入れてスキーマを活性化させたり,味わった素材を定着させればいいだけの話です.多くの先生はすでにしていたりするのですが,本当に1文1文当てて訳して,自分の出す訳を覚えさせて,テストに出すという先生は案外生き残っているので(彼らには彼らの合理的な選択があるのでしょう.また,優秀な先生の周りにはこういう先生は集まらないので問題が見えていない,というのもあると思います),そういう先生が徐々に少なくなっていくように導くのが基本戦だと思います.

まず,確かに,英語教育プログラムには,評価(assessment)は大事なのですが,民間試験が仮によくできたものだとして,それをボンと学習者に押し付けたら,正しいプログラムが出来上がるように錯覚しているのがよくわかりません.いや,CEFRを参考にするのはいいとして,現実的なCan-Do statementを作って学習指導要領を作り直すのが筋じゃないですかね.確か,ものすごい頭のいい英語教育関係の人で井上大輔さんがさらっとどこかで「人は定義できないものにはなれない」とさらっと口にしたのを記憶しているのですが,まさにそのことが云えると思うんですよね.で,それができないから,現場の先生までが,対策をしなきゃという発想になるわけで.

同時によくわからないのはこの民間試験の導入に反対している人たちが,上で引用した高校の先生のような「センター試験には対策法はなかった」と示唆させる(imply)ことを発言をしていることです.本当ですか.というか,ぼくはそこまでセンター試験には詳しくないですが,それでもパラパラと試験を見る限り,問題製作者たちは絶対近年TOEICのitem writingを参考にして(時々参考にしそこなって)いると思うんですよね.まだ,on a daily basis / show a profitといった会社員で英語を使うならごくフツーのコロケーションが学生には優先して覚えるものとは思えない,とかいう(確かにこれはそうだと思います.よく高校の先生が故・清水かつぞーさんの本を薦めていることがありますが,TOEICあるいは一般的なビジネス英語の頻出コロケーションを学ぶには早川幸治さんの『TOEICテスト 書き込みドリル フレーズ言いまわし編 新装版』の方が有用だと思います)ツッコミを入れるならわかりますが. どちらにせよ,上記の高校の先生たちのコメント自体が高校での英語教育の位置付けを受験対策として考えている,というのを裏付けている意味では,民間試験導入を賛成している人たちと大差ないような気がするのですが.まあ,ぼくは自分を英語の先生だと思っていないので,勝手なことを述べているに過ぎませんが…

どういうやり方をするにせよ,そこにassessmentがある限りはできる人とできない人が出てくるわけで,(比較相対的に)できない側の人もできないなりに役に立ったこと(benefits)があるものを目指すのが正しいと思うんですけどね.云うなれば,前もどこかで書いたと思うんですが,TOEFL 25点とかTOEIC 200点とか偏差値35とかになる学習者が出てくることをあらかじめ考慮していない英語教育プログラムは偽善か机上の空論だと思うんですよね.モノサシは「よりまし」なものがいいですが,それでもそのモノサシによって計られて「不良」と判断されるものは出てくる.でも,そう判断されるものにとっても全体的には良かったと考えられるものを目指すことを改善と呼ぶと思うのですが,違うのでしょうか.

世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」の授業

世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」の授業

 

で,この英語教育改革の流れの中で「思考力と表現力をこれからの英語学習者に身につけてほしい」的なことが上の記事にも書いてありますが,この「思考力」って英語でいうクリティカル・シンキングのことだと思うんですが,この流れに賛成する人であれ,反対の人であれ,クリティカル・シンキングというのは,思考の幅を広げなければいけないのに,それとは程遠い思考をしているような人の方が目立つ気がします.まあ,そういうことに気づいてきたから,まあ,何かいうより,なるべく静かにガンガン本を書いていく方にスウィッチしつつあるのですが,久しぶりにちょっとコメントしてみました.

That's how we say. 続・悪のライティングテクニック

 

Writing to Win: The Legal Writer

Writing to Win: The Legal Writer

 

 友人のパートナーがモーニング娘。を時間があればずっと聴いているというのを,ぼくの友人のカナダ人女性が「いい歳してありえない」と云っていました.まあ,そうかな,と一瞬思いましたが,ふと気づくことがありました.ぼくも東北のアイドルが,とかVanilla Beansがとか云っていたとかそういう話ではありません.そのカナダ人女性はある種類の鳥にこだわりがあって,そのグッズを集めているんですよね.身につけているバッグとか傘とかシャツとか,それを口にしたら,「いやそれは全然違う.この鳥はtackyだけれども,いい歳してモーニング娘。は絶対キモい」と反論されました.Tastes differ. ということわざを出すまでもない話ですが,人の好みは様々です.

 

ところで,ちょっと思ったのですが,ぼく自身は意図はわかるけれども,大きなこだわりはないのですが,「好みを訪ねてから,理由を述べされるようなライティングの課題は良くない」という考えがあります.でも,好みというのを英語のpreferenceと考えれば,場合によっては政治的な立場のような考えだってpreferenceとも云えます.でも,まあ,極めて個人的なpreferenceと社会的な問題意識が高い事柄に関するpreferenceはちょっと違うとも云えそうです.

まあ,でも,そういうことを云いたかったわけではなく,実際のところ,

「あなたなんであんな男と付き合ったの?」

という問いは日常生活ではあり得ます.また,問題を作る側がよくない出題をしても,解く側は答えなければいけない事情もあります.で,その場合,どうするのかというのをあえて考えてみます(註・で,これ半分ふざけて書いているので,あまり真に受けないで読んでくださいね).

実際のところ,案外ESLのcourse book(つまりは洋書)でも,こういうのはあったりします.

Why do you like Eddie Murphy

とか.ほっとけ,とか思うかもしれませんが,まあ,

He makes good jokes. 

He has a good sense of humor.

 と答えられれば問題はないです.で,ちょっと注意して欲しいのは,質問が現在形で,答えも現在形ですよね? で,これが可能ならば,あまり悩む必要はないです.で,なぜこの例の場合,答えがあったのか,というとEddie Murphyがある程度有名な俳優だからだと思います.さっき,「社会的な問題意識が高い事柄」とか書きましたが,そこまで大げさではないけれども,話し手と聞き手にある程度共有された対象についての情報があるから可能なんだと思います.

では,さっきの

Why are you dating a jerk like him?

 だとちょっと答えが変わってくると思います.

He's very handsome.

 はちょっとおかしいと思います.なんだかは,ぼくも完全にわかっているわけではないですが,この場合,どうするのか,というと質問に答えるに当たって時制をずらしてはどうか,ということです.

つまり,いま,質問を投げかけられた人(註・どうでもいいのですが,一応男性の可能性もあります)は,なぜダメな男性と付き合っているか,というと過去のある時点にこの人と付き合うという選択をした訳ですよね.その選択の理由(というか経緯)を答えればいいのではないかと.

Well, I just met him at a party. He talked to me. He looked nice at the moment. 

 とか.

まあ,あくまでこれは論理的にはちょっと邪道な方法ですが,少し答えにくい質問をされた後に,どう切り崩していくか,という意味では,「時制を変えてみる」というのはアリかもしれません.まあ,あくまでふざけて書いているので,良い子は真似しないように.

 

 

Thinner is better. いくら厚くても…

 一般的な英語学習者の中にも文法の復習をしたがる人はいます.その判断が正しいか,間違っているか,どうかは知りません.ただ,以前挫折したのと同じようなやり方でまた文法を学んでもうまくいかないことが多いです.

人それぞれ勉強の仕方とは異なりますが,文法を学ぶ目的が,自分がアウトプットする上での精度をあげたり,使える文構造を増やすことにあるのだとすれば,説明の詳しい『XX総合英語』『○○英文法』とかいうタイトルの高校生用の文法参考書よりも薄いワークブック形式のものの方がいいと思います.

ただ,左側に説明が書いてあって,右側が練習問題になっているような中学生用の問題集は英語が間違っていることはあまりないと思いますが,文法事項をチェックするだけのためのExercisesが多く,それほど勧められるものはありません.

文法を体に定着させることが目的ならば,必ずしも和書じゃなくていいので,洋書の文法のワークブックをすることもいいと思います.有名なAzarやMurphyの本もいいのですが,薄くて英語が得意でない人も終えられる,という観点からするとこれでしょうか.

Work on Your Grammar: A Practice Book for Learners at Elementary Level (Collins Work on Your)

Work on Your Grammar: A Practice Book for Learners at Elementary Level (Collins Work on Your)

 
Work on Your Grammar: A Practice Book for Learners at Pre-Intermediate Level (Collins Work on Your)

Work on Your Grammar: A Practice Book for Learners at Pre-Intermediate Level (Collins Work on Your)

 

この本のいいところは薄いけれども,かなりコミュニケイションとしての英語を初級のうちからカヴァーしていて,代わりに,レヴェルを考えて,項目数を思い切って削っていることです.教材作成の場合,「削る」というのはすごい大事で,「実際この事項に出会ったらどうするんだ」ということがあっても,それを理由に厚くしてしまうより,1冊の本でできる役割をきちっと決めてしまった方が,内容的にもよくなるとぼくは考えています.姉妹本でAdvanced (C1)までありますが,普通の学習者は正直A1, A2をきっちりやるだけでいいと思います.それでできることはたくさんありますから.

どうしても,もっと解りたい,洗練した使い方ができるようになりたい,という人だけ,B1, B2, C1と進めばいいと思います.この辺は趣味の世界です.これはこのシリーズじゃなくて先ほど名前を出したAzar, Murphyのワークブック,及びその後出てきたGrammar Sense, Grammar Dimensions, Focus on Grammarなどのワークブックについてもそうです. 

 

Truthfully, no rules are needed. 本当は型なんか要らない

 人間というのは不思議なもので,自分で云って・書いて置きながら,時々それを否定したくなったり,必要以上に強調されることを嫌がったりすることがあります.

彼女はたぶん魔法を使う (創元推理文庫)

彼女はたぶん魔法を使う (創元推理文庫)

 

 幸か不幸か,ぼくは社会的影響力は全くないので後者に当てはまることはないのですが,前者のような自分の昔の考えと現在の考えは少し変わっていることに気づくことがあります.

例えば,『英語スピーキングルールブック−論理を学び表現力を養う』(本当は「論理は…」の部分が最初に来るのが正しい書名です)に入れたように,text structureの典型を文章の型ごとにoutlineをある程度頭に入れることを勧めていました.そうせざるを得ないと思ったからです.

ただ,自分自身がそのようにして話し方や書き方の型を学んだか,というとそういうことはそんなにないんですよね.特にnarrativeなんてstructureをはっきりと説明してあるものの方が少ないような気がします.実際,おそらくネイティヴスピーカーの英語指導者は自然にできるだろう,と考えています.ぼくは半分ぐらい彼らの方が正しいのかも,と思ったりすることもあります.でも,半分は型を見せてもいいだろうと思っているから,一時期,それを探して洋書をずっと読んでいたこともありました.

まあ,半分は型を学んでもらうとして,もう半分はどうするのかというと,樋口有介の本を読むのもいいんじゃないかな,とちょっと思いました.日本のミステリーが好きな人は普通,島田荘司とか森博嗣(「ひろし」と発音します.「ひろつぐ」ではないです)とか笠井潔(きよし)などを読みます.本格派(英語ではpuzzler)という謎解きに中心を置いたものになっているからです.そして,もう少し文章に凝ったものが好きだと北村薫を読みます.ちなみにぼくはこれらの作家を読んだことはない(というか,読みかけてやめて,多分今後も読まないと思います.ファンの人すみません)です.で,樋口有介が好きという人はあまりいないと思います.

でも,なんでいいのか,というと他の作家と違って,プロットの綿密さではなくて,文章の旨さでもってストーリーの流れや展開の面白さ(云うなれば「つながり(cohesion)」と「まとまり(coherence)」)を出しているからです.ぼくは読書家ではないですが,日本語で書く作家においては,この書きっぷりでもって,読者をストーリーに引き込む作家は少数派ではないかと思います.樋口有介は多分そのひとり.かといって,ヨーロッパ言語からの翻訳調のような文体で書いてあるわけでもないんですよね.文法とかそういう問題でもないので.

英語で「イカの噛(か)んだ感じがなんか嫌い」と云うとき,

 I can't eat squid. I don't like its texture.

などとこの「食感」「噛み心地」「歯ざわり」のことをtextureと呼ぶのですが,英語のテキストが自然に流れているときも同じ単語を使うんですよね.で,個人的には樋口有介の小説に英語のtextureっぽいものを感じるんで,だから読む気になる(readable),プロットの練りにどこか甘いところがあっても,センテンスががっちりつながっている,全体としてまとまっているから,そうそう崩れない,感じです.まあ,ぼくがそう思うだけかもしれませんが.

まあ,でも,北村薫の小説は女性に人気があるらしいけど, 樋口有介のはダメだろうな,と思います.まあ,小説中のメルヒェンと呼べば美しいですが,男性の妄想でできている,と考えることもできます.