Write to Do the Right Thing

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MAP Grammar for Writing 2 「意味順」から「ライティング」へ(2)

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しつこいようですが,フォローしてください.もしくは初級者にすすめてください.

さて,「意味順」の考え方を受けながらももっとセンテンスを超えてのスキルへという試みはぼく自身が乏しい実力ながらなんとかいろいろとやってきたつもりです.ひとつはスピーキング本である『ネイティブなら小学生でも知っている会話の基本ルール』(テイエス企画)という本です.

同じような発想でライティングの本が今度出ます.あと数日後に著者見本もぼくのところに届くと思います.それから献本リストに載せた知り合いの方々にも少しずつ届くはずです.出版社のご好意で結構送ることができそうですが,無限に,というわけにはいかないので,届かなかった人はご容赦ください(誰に書いているのだろう…).

とにかく薄い本です.例文もこんなのでいいのか,というぐらいにやさしい英語にしています.書き言葉ではフツーこういうんだけどなあ,と思ったのもあえて,「いいか初級者は知らないし」という理由で馴染みのある話し言葉的な表現にしておいたのもあります.ちょっと,やや2つのセンテンスの「つながり(cohesion)」がやや強引かなというのもあります.でも,ポイントポイントで各学習者がたえず自分の英語のOSをアップデイトしていくという考え方に立てばこういう本も必要になってくると思って書きました.

そして,でも,意外と文法の本も国内で売れている他のライティングの本にも書かれていないツボのようなものを入れたりそういう工夫はしました.

個人的にいちばん気に入っているのは巻末の付録の基本動詞や前置詞・副詞の語法をまとめたものです.これは,出血大サーヴィスぐらいのものでつけたので,中級以上の人でいま1度基本を見直したい,という人はこの部分のためだけでもいいから買っていただけると嬉しいです.ぼく自身がこれをつくるために確認のためにネイティヴの子供用と初級用のESL辞書(俗に言う英英辞典のことです)と何冊もにらめっこしてかなり勉強をしました.そして,初級者に役に立つような例文をいろいろ考えて作っています.  

本当の好事家(こうずか)中の好事家の人は最後の参考文献でもみてください.ほとんどが洋書ですが,この本を書くためにいったい何をしてきたのか呆(あき)れ返ると思います.あまりマトモなものはありません.うっかり全部揃(そろ)えたりしないでくださいね.  

 

 

MAP Grammar for writing 1「意味順」からライティングへ(1)

(これは過去に書いた記事の焼き直しです)

以前Swedish popの話を記事に書いたと思いますが,この種の音楽が流行った時期がありました.このことを指して後期ネオアコと読んだ人もいたようです.その頃,ショコラとかが出てきたり,ネオアコ本流とはずれるのかもしれませんが,トーレ・ヨハンソンというプロデューサーが原田知世を手がけたりもしました.あ,『ティコ・ムーン』という映画もありましたね.ロボショップ・マニアというバンドが確かNHKの語学番組に登場したこともありました.それから,Round Tabletというグループもありましたね.いや,音楽はいいかどうかは知らないけれども声が…という感じの. 

ちなみに,ほとんど多くのギター・ポップ系の音楽が好きな人はネオアコという言葉も嫌いなはずです.ぼくはもともとAztec CameraやPale Fountainsの強い影響を受けていないので,どうでもいいですが.まあ,この後期と云われる時期に出てきたFountains of Wayne, Pernice Brothers, Push Kingsなどが本当は好きなので.

というどうでもいい話はともかく,もしかすると,田地野彰先生の「意味順」も後期あるいは第2期という段階に入ったような気もしてきました.ぼくはほとんど知らないのですが,柴原智幸さんという通訳か何かの先生が,よくアルクだったか朝日出版社だったか忘れましたが,英語雑誌に連載をしていますが,そこで意味順に近い考え方を披露しています.

そして,以前書いたように横山カズさんという方が「英語のシステムは究極にはA is B, A does B」というようなことを田地野先生の『<意味順>英作文のすすめ』と同じ岩波から出している本に書いていて,のけぞるほど驚いた記憶があります.というのは,ここ数年,ことあるごとに「意味順」から派生させてWho Does What OR Who Is Whatというモデルを考えていたからです.この通訳をしている(らしい←世の中に疎いのでよく知らないのです)人たちが田地野先生の意味順を知っているかどうかはわかりません.しかし,何らかの形で通訳のような瞬時に英語を生み出さなければいけない人たちが「意味順」に近い形で英語を捉(とら)えているということは特筆すべきことだと思います.

そしてです.多分,今年割と売れた本であるこの本も,大きくはその流れに属するものだと思います.この本が出たとき,タイトルだけをみて,「こんな考え方をするから冠詞がわからなくなる」的なことを云っていた人がいましたが,ちょっと違うかな,と思いました.どうせタイトルというのは,著者がいくら頑張っても出版社がつけるものですし,カタマリごとに英文を捉えるという意味ではいいんじゃないか,ぐらいにぼくは思っていましたが,この度目を通して見て,おお,と少し思いました.

会話もメールも 英語は3語で伝わります

会話もメールも 英語は3語で伝わります

 

 英文そのものはちょっと初級者には語彙が難しいものが含まれているのですが,それより,興味を引いたのは,意味順では,現状は,

Who   Does/Is   Whom What  Where When

*だれが する(です) だれ・なに どこ いつ 

 のように,最初の部分は「人」を基本にして,「もの・こと」が来るときは比喩的なものと考えます.動詞がもつactive感を身につける意味では初級者はそれでいいと思いますが,上記の中山裕木子さんの本では「もの・こと」を主語にする延長で-ingなどがここにくる部分をうまく説明していて,感心したのはThis, That, Itなどのセンテンスの前に登場していた部分を受け次いだ要素をして扱う部分を別個に紹介していたので,これは簡潔ながらも文構造から「つながり」と「まとまり」への橋渡しになる部分なので好感を持ちました.

 

中学生・もしくはそのレヴェルの英語の知識を身につけるのが先決という学習者には荷が重い課題でしょうが,そこを抜けた学習者が「意味順」というOSを継続して使用しながらの小さなアップデイトとしてはこういう部分が大事なのではと思いました.

 

*上記の「意味順」につけた日本語は田地野先生の著作に合わせて作っていますが,ぼくは最初の「だれが」の「が」を取ってしまおうと思っています.もちろん,それに抵抗がある人もいると思います.

This is what you must read. 本当に読むべき本

今日は自分の本ではない,3月に出る新刊をご紹介します.『意味順でまるわかり!どんどん話すためのカンタン英作文 毎日の会話表現400』というJリサーチ出版という出版社から出る本です.まだAmazon楽天には情報が出ていませんが,他のオンライン書店では情報が出始めています.

ぼくはこの本の内容はほとんど知りませんが,担当の編集の人と著者の田地野彰先生と面識があるのでこの本が出ることは以前から知っていました.関心がある人は是非本が出てから手にとってみて戴ければと思います.ぼくもそうします.

ただここまで書いてから水を指すようなことを書きますが,もし「意味順」という文構造の捉え方に関心があって,岩波ジュニア新書から出ている『〈意味順〉英会話のすすめ』をまだお読みでなければこちらを先にお読み下さい.

というか,あまり関心がなくてもこの本は多くのひとが手に取って読むべき本だと思います.ぼく自身はここ数年「意味順」に強い関心を持っていますが,そんなこととは別に「5文型」派であろうが,「文法訳読派」であろうが,文法に関心があまりない会話が好きな人であろうと,ことばの勉強をしようとしていたり,英語教材を作ろうとしていたりする人は必読書だと思います.

この本の凄さは「意味順」というコンテンツ以上に,英語が苦手な学習者の立場に立った,田地野先生の日本語の巧さです.比喩の使い方など,ぼくはこんな上手くは書くませんし,他に書ける英語本の著者を知りません.4技能試験の大学受験への導入が話題になっているようですが,賛成派も反対派の立派な先生方も正直お世辞にも文章が上手とは云えないので,ぼくには関心が湧きません.

これを読んでこの日本語の凄さに気づかない英語教育関係者がいたら,その人が「日英比較」だとか「日本語の方が大事」とかいくら云おうが説得力がないな,とぼくなら感じます.日本語と書きましたが,別にそれにこだわっているわけではありません.数は少ないですが,ネイティヴをはじめとして初級者に英語だけで上手く教えられる先生がいますが,そういう人は「学習者目線で」ということがどういうことがわかっているのでそれに重なると思います.それって「上から目線」をやめて「学習者に媚(こ)びる」ことではありません.むしろ逆だと思います(註・ぼくは日本語が下手なので誤解するひとがいるかもしれないので書いておきますが「威張るのがいい」とぼくが主張していると感じた人は誤読しています).学習者が迷いながらも自分で選択していきながら進んでいくのを見守っていく,というのが「学習者の視点が視えている」ということなのだと思います.

なんか最初のJリサーチ出版の本でなくてだいぶ前に出た岩波ジュニア新書の本をすすめる記事になってしまいましたが,まあ考えないで書いたらこんな感じになりました.財布に余裕があったらどちらもお買い求めて読んでみてください.

Write to Do the Right Thing ... お知らせ

ここに書くのは最後になるかもしれません.ちょっと飽きてきたのでこのブログはやめようかな,と思っています.今回は2つお知らせです.

はじめてのTOEIC® L&R テスト きほんのきほん | スリーエーネットワーク』のWeb site(ここ)の一番下に初級者向けの学習のしおりをダウンロードできるようにしました(はじめてのTOEIC® L&R テスト きほんのきほん 初心者に役立つコンテンツ | スリーエーネットワーク).発音のファイルもサーヴィスでダウンロードできるようになっています.Basic TOEIC Vocab (@BasicTOEICVocab) | Twitterと合わせてご利用いただけると幸いです.

 

もうひとつは新刊です.優秀な帰国子女の先生と一緒に書きました.最初はスピーチライティングの本を書くつもりでしたが,なぜか最終的には初級者・中級者向けのライティング本になりました.英語タイトルのThe Basics of Writing: From Sentence to Paragraphが内容を端的に表わしていると思います.タイトルからいうと同じ会社から出ている『英語スピーキングルールブック−論理を学び表現力を養う』を連想するかもしれません(というか営業戦略上多少意図的にそうしています)が,レヴェルやヴォリューム的にはどちらかというと『ネイティブなら小学生でも知っている会話の基本ルール』に近いと思っていただいた方が良いかもしれません.

英語ライティングルールブック-基本を学び構成力を養う

英語ライティングルールブック-基本を学び構成力を養う

 

アメリカやイギリスのライティングの教科書というのはよくできたものが多く,そういうのに目を通したら,その内容を日本語にしたものを作りたくなります.でも,そういう本というのは結局多くの人にとっては難しすぎるようです.『英語ライティングの成功法則―パラグラフの組み立て方「超」実践マニュアル』(国際語学社,つまり絶版)もそうですし,ごく最近でた『(MP3音声無料DLつき) 英語ライティングの原理原則――テストに強くなる、レポート・論文で評価される』 (テイエス企画)なんかもそうです.

 

でも,どういうわけだか,英語がまだまだ苦手な人もライティングを課されるような世の中になってきました.ぼくはまず簡単なスピーキングができてから,ライティングに移行したほうがいいと思っていますが.ただ,『Q&A Diary 英語で3行日記』(アルク)が売れているようなので学習者がプレッシャーにならなければそれでもいいのかもしれません.

でも,相対的にそれほど高い英語力を持ち合わせていない学習者向けのライティング本というのはあまりないんですよね.『ゼロからスタート英語を書くトレーニングBOOK』(Jリサーチ)はほぼほぼセンテンスだけですよね.

本格的なエッセイ課題を書かされることは,学校と英語標準試験を受けない限りないと思います.だから,初級者向けのライティングというのは,もうすこし込み入った内容を2センテンス以上を使ってメールや会話で説明することに応用できるスキルを学ぶべきだとぼくは考えています.まあ,今回出た本がどこまでそれに応えられるかは解らないのですが,ぼく自身はそういうことを意識して執筆しました.だから,punctuationとか,書き言葉のルールはほとんど扱っていません.あくまでライティングをする際に初級者が躓(つまず)くであろう,考え方や頭の働かせ方の大原則のみを扱っています.もう少し上のレヴェルの学習者には『即戦力がつく英文ライティング』(DHC)をお勧めします.

で,スピーキングにしろ,ライティングにしろ,純粋な文構造の問題ではない英語の知識が要求されてこれがないとやっぱり話したり,読んだりできないんですね.で,よく「話すためには英文法が」という人がいますが,でも,日本では英文法というのは文構造中心に語られることが多く,語法やコロケーション(マイナーなものではなくベタベタすぎる基本的なもの)をまずは覚えるということが軽視されているんですよね.ということで,この本の巻末には見落としがちの基本動詞・前置詞・副詞(専門的にはadverbial particleといいます.ただ,「不変化詞」はちょっと難しく響くので使用を避けました)のリストをつけました.それで,200ページ行っていないから,かなり薄い本ですが,初級者は薄い本でよいと思うんですよね.できる人なら数時間で読み飛ばせるし.

They are not magicians. ディスコースマーカーの魔法が解けるのはいつか

 先ほどまで,こんど出す本のゲラをチェックしていました.ものすごく英語が苦手な人のためのライティングの本です.英語がまあまあできるという人にはもっといい本がたくさんあります.『即戦力がつく英文ライティング』とか.TOEFLを目指しているなら『新版TOEFL TEST対策iBTライティング』がいい本です.

今回の本はそのレヴェルの読者はいっさいターゲットにしていません.センテンスは問題なく書けるけれども,「つながり(cohesion)」「まとまり(coherence)」が,と考えている人はがっかりさせると思うので,買っていただくのはうれしいですがその面はあまり期待しないでください(というかそこに関心がある人は最近は書店にあまり置いてなくなった『 論理を学び表現力を養う 英語スピーキングルールブック  』をご笑覧いただいたほうが良いと思います).「この2つのセンテンスのつながりは少しゆるいかも.でも,学習者が実現可能な例としてはこのくらいがギリギリだし…」という例も多々あります.正直,個人的には初級者はリスニングやスピーキングに時間を割いた方がいいと思っているのですが,いろいろ共著者の意思や昨今の風潮(かつてよりやや下のレヴェルの資格対策用の英作文問題集などが売れているようです)などもあり,そういう従来よりもぐっとに向けたライティング本を世に出すことになりました.

ネイティブなら小学生でも知っている会話の基本ルール

ネイティブなら小学生でも知っている会話の基本ルール

 

 繰り返しますが,上(↑)よりもっとずっとやさしい,いかにしょぼい小道具を使い,しょぼい英語をつなげていってなんとか意味を通じさせるか,という本です.しかし,今回のゲラをチェックしながらひとつ気づいたことがあります.ライティングに限らず,英語で表現することに関して,多くの学習者はなにか正解を求めているんですよね.で,それに答える形で,ひとつの案を知識を伝達する側が出してあげるとそれを喜んで使います.で,そこまではいいのですが,それがへんな形で形骸化したり,その解決策の使用が本来なかった意図を帯び始めるということです.

ひとつはディスコースマーカーの使用です.ぼくは正直あまり重視していません.ライティングだけじゃなくてリーディングの指導でもこういうのに過剰に頼るのはなんか違うのではと考えています.ところで,ディスコースマーカーというのはなんだか大学受験の長文読解を教える先生が生み出した言葉のように思う人もいるかもしれませんが,Deborah Schiffrinというアメリカ人の学者がまとめたときは,会話で使われるものが多かったと思うのですが,いつのまにかこれはpragmatic markersなどと呼ばれるようになってきました.まあ,それは置きましょう.大事なのは,これは名が示すごとくmarkerであり,「ここにこういう内容のことが来ますよ」と聴き手・読み手に知らせるのが役割です.

Discourse Markers (Studies in Interactional Sociolinguistics)

Discourse Markers (Studies in Interactional Sociolinguistics)

 

でも,多くの学習者はこのディスコースマーカーを使うとそのあとに続く内容が変わると思っているようなんですよね.はっきり書いて置きますが,それはありません.ディスコースマーカーは前後の英文の意味を変えたりはしません.というか,ディスコースマーカーはなくても他の部分が正しい流れで書けていれば少し読みにくいというだけのことで意味が通じるわけです.

 で,このことは基礎中の基礎のように勝手に指導者側(知識を伝達する側)は思っているのですが,いや,かならずしも初級者にとってはそうではないし,なにか彼らを誤解させているのはもしかするとこちら側にあるのではないか,ということです.で,今度の本がそういう誤解を与えなければ,というのを切に望んでいます.

Why am I promoting this? 今語彙を推す理由

 とうとうRまで来ました.あっという間にA1単語は終わってしまいます.初級者の人はいまのうちにカヴァーして追いついてください.大事なのは例文の意味が取れることです.できることなら覚えてください.

そして中級の人はイントロとしてあげているアカウント管理者のメッセージをよく読んでください.わざと見出し語を使っていますが,見出し語と定義や用法が異なっているものもあります.こういうのを貪欲に覚えていくと,こちらが選んだ550語はかなりの威力を発揮します.TOEICの初級者に本当に必要なものを選んだつもりですから.指導者の人はネイティヴの先生はこうやって学んで欲しい語を学習者に関連づけようとするのか,と感心してください.

1つ付け加えるとすれば,この見出し語を選ぶ作業で日本人ならカタカナ語などで良く出会うのは思いっきり省いている代わりに,良くある頻出単語集で世界基準では基礎中の基礎なのに掲載されていないものは敢えて入れています.1例ではaboveです.こういう語は不思議なことに日本人は得意でないのに文法の勉強に任せようとします.でも前置詞や副詞(adverbial particles)などは,日本の学習者の多くは文構造しか見ないことが多く,文法の学習でも見捨てられがちです.だから入れてあります.

 このデータを単語集にしようと出版社に声をかけています.今は最大手にコンタクトしていますが,無理ならほかのところにも当たります.これになんで一生懸命になっているのかというと,英語指導者と学習者に対してエラリー・クイーンばりに挑戦したいからです.指導者は真面目な先生ほど「そんな簡単に知識が身につくはずはないんだ.毎日コツコツ,そして行ったり戻ったり,無駄なことをしてようやく生きた知識を身につけられるんだ」と思っていますし,口にします.逆に,学習者はできる人を除いては「それ意味ありますか、意味ないならやらないです」と云います.それに対して「じゃあこれをやってみてください.無駄は全くありません.正しいやり方でやらないと成果は出ませんけどね」と云ってみたい,そんな気持ちからです.まあ年明けごろには出版社が見つかればと思います.

Have a happy Christmas!

Do they really need to write? 初級者にはライティングはいらない

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いま共著で書いている初級者用のライティングの本の校正をしているのですが,初級者にライティングなんていらないのでは,スピーキングだけでいいのでは,とときどき思います.ライティングというのは本格的な意味でのアカデミックライティングです.学習者の英語の習得段階を考えるといろいろ難しい問題があると思うからです.

 

アカデミックライティングでは,「Iを使うな」というアドヴァイスがあります.客観的に書くべきところで,自己中な主観的なセンテンスを書いても説得力がないから,というのでしょう.でも,実際のところ,初級者はそれより前に,

X Noon eats spaghetti.

とか書いてしまうわけです.いや,本当に.だから,初級者のライティングはまず,「Iを使うな」はほうっておいて,Somebody does something.のセンテンスをなんとか生み出せることを優先させなくてはならなくなってきます.

難しいのは上記の問題は表面的な文法・語彙の説明を受けるというだけでは解決しないことにあります.英語を取り込み,必要なときに生み出すというインプットからアウトプットへの正しい流れをつくるのは意外と難しい話です(もちろん難なく越えられる学習者もいます).