Write to Do the Right Thing

I create things and write about them here as well as other stuff. Views are always mine.

Both sides of the same coin 違和感はどこにあるのか

依然として引き続きスピーキング本の制作をしています.今度の本は自分にとってはFantasmaのようなものです.いや,何を云っているのかわからないと思いますが. 

DELTA Natural English Series A Handbook of Spoken Grammar, Text with Audio CD (Delta Language Practice)

DELTA Natural English Series A Handbook of Spoken Grammar, Text with Audio CD (Delta Language Practice)

 

 このところ,思うことはスピーキングとライティングのアウトプット系のスキルが,公教育への外部試験導入の話と絡んで多くの人がこの2つのスキルに注目すること自体はいいと思うのですが,この流れを否定する人も肯定する人もごく少数の人を除いてはなんか違うのでは,と思っています.

「違和感を感じる」というのは言論において否定されがちな表現ですが,正直他の表現が見つかりません.というのは,先ずは読み書き(リーディングとライティング)という人は文法をしっかりやっていて読み書きができるようになれば英会話もいずれはできるという故・渡部昇一氏の主張的なことをよく云います.また,スピーキングをどんどんやろうという人も文法に関しては見えているものは前者の人と同じなんですよね.書き言葉の文法を口に出してしゃべれば話し言葉になるという.

ぼくは口語表現と云ってもかなり崩れたスラングやノンネイティヴは必要ないようなイディオムまみれのことを云っているのではありません.そういうことではなくて,スピーキングにおいてはモノローグを除いてはインターアクションなので,Topic - Statement (普通はTopic - Commentと云いますが,最近考えるところがあって,ぼくはわざとStatementという言葉を自分の教材の中で試験的に使うことにしました)という意味の完結が会話の参加者(Interloctors)の相互協力によってなされるのが決定的にライティングとは違うわけです.ライティングの場合,それをひとりでやらなければいけないからセンテンスがあるわけです.

ただ,スピーキングとライティングが対立しているのではなく,トピックを掲げて,それに対するアクションを伝えたり(これはaction verbsの使用を指します),描写へつなげたり(これはbe動詞系の動詞)してステイトメントを行なうのをインターアクションに頼るのかセンテンスに頼るのか,というだけで根本にあるものは同じとも云えます.

で,残念ながら,今書いたシンプルな要素で誤解をしている英語の先生と学習者が多数派なんじゃないかな,それなら,せっかくアウトプットを進めてもあまり意味がないのでは,と思ったりもします.

そういうちょっとしたことを埋めていくために今度のスピーキング本は書いています.というか,『論理を学び表現力を養う 英語スピーキングルールブック』で全部(とは云わないまでもかなり)書いたつもりなのに,結構上級者を含め「難しい」と云われたので,変なところにぼくが拘っていたのがあるのかな,と思ってシンプルにこれだという感じで思い切って書きました.もちろんこうすることでovergeneralizationになるリスクは避けられませんが,まあ初級者ですからね.原則だけというのもしょうがないと思います.あともう少しかかると思います.

 

English is not my cup of tea... ほとんど読んでいないイギリス文学

ぼくは翻訳を含めてイギリスの小説はほとんど読んだことがありません.ただ,読もうと思っている小説はいくつかあります.

ひとつはこれ.大昔からずっと読もうと思っていて読んでいません.ちなみに邦訳も出ています.これも読もうと思っていて読んでいません.ただし,映画化されていてそれは見ています.屈折した若者が出てくる青春小説です.というか,自分が読んでいる本って結局そういうのばっかりかもしれないですね.ある意味東野圭吾の『放課後』の先生だって,柚木シリーズだって,遅めの青春とも云える.しかも歪んでいる…

 で,このMartin Amisはもう今は老人になってしまいましたが,この本が出た頃は若手作家で,しかもこの父親も小説家だったりして,その人の方が英文学史においては有名なようです.まあ,どうでもいいことですが.

The Rachel Papers

The Rachel Papers

 

 さて,その他のイギリス文学というと,今はカズオ・イシグロということになるのでしょうか.よく会うネイティヴは読んでいるのですが,興味はあっても手が出ないという.まあ,近いうちに1冊ぐらいは,と思っています.

もうひとつ読み返そうとしているものに,G. K. Chestersonという大物の作家・思想家(?)の本があるのですが,これです.邦題は『木曜の男』ですが,これはずーっと前に読みました.もうすっかり忘れてしまいましたが.一般的にはこの作家はFather Brown Series(ブラウン神父シリーズ)で有名です.

 あとはこれ.この主人公もワルだけど何となく好き.

Saturday Night and Sunday Morning

Saturday Night and Sunday Morning

 

 まあ,ぼくが読みきれなくてもきっと代わりにアイドルが読んでくれるでしょう(人まかせ).

 

 

 

Read out of the box 英語圏以外の翻訳小説

今回は誰も知らない外国文学(と呼ぶのか)の話をします. 

ビターチョコレート

ビターチョコレート

 
夜の少年

夜の少年

 

 ドイツの児童文学作家にミリアム・プレスラーという人がいます.ぼくは昔,この作家が結構気に入っている時期があって何冊か読みました.『夜の少年』は暗い内容で,ミステリーに分類されても良いような本じゃないでしょうか.『ビターチョコレート』の方は体型を気にしている女の子の話です.この何でもない日常の描き方がぼくは結構好きです.前どこかでHaddixの本を勧めたのと同じ理由です.

ドイツを出したついでにフランスの大衆小説もいくつか紹介しておきます.ぼくは一時期,ハヤカワや創元推理のミステリーを読んでいた時期があって,その頃おおと思ったのはセバスチャン・ジャプリゾという作家の『シンデレラの罠』という作品です.読みにくいけれどもこれはすごい作品.でも,最近は新訳が出たみたい.読まないけど(今ぼくが読むなら原書か英訳ですね).同作家に『殺意の夏』というのがあってそれは映画化されていてイザベル・アジャー二が出た映画を昔ビデオで見たような記憶があります.

シンデレラの罠【新訳版】 (創元推理文庫)

シンデレラの罠【新訳版】 (創元推理文庫)

 

あとはカトリーヌ・アルレーとか(これはそんなに読んでいません). あと,そんな有名じゃないけど古本屋で見つけて面白かったのがこれ.確か夜に読んでいてハマった気がします.

穢れなき殺人者 (創元推理文庫 (217‐1))

穢れなき殺人者 (創元推理文庫 (217‐1))

 

で,フランス人ではないけれど,フランス語で書かれた面白いミステリーには最近復刊したのかな,結構Twitterで発言をしていた有名な翻訳家が訳したこの本です.この本も英訳を読んでみようか,なんていう時間は人生の中に残されているのか…

マーチ博士の四人の息子 (ハヤカワ文庫HM)

マーチ博士の四人の息子 (ハヤカワ文庫HM)

 

まあ,こんなところです.あえて,英語圏の翻訳物は外しました. なぜって? 何となく.

 

Three cheers for our idol 読書アイドルを応援する

アイドルが色々ぼくが記事に書いた本を読んでくれていて嬉しいのですが,だんだんネタがなくなってきました.紹介した本たちは随分昔に読んだものだからです.まあ,柚木シリーズは何冊かありますが.『誰もわたしを愛さない』というのがあって,ここに高校生の女の子が出てくるのですが,描写からすると美人というわけではないんだけれども,なぜか哲学を持って行動していて,柚木と気の利いた会話のやり取りをするところがまあすごい.

 

さて,樋口有介を離れて,ぐっと古いところでは,『密会の宿』シリーズでしょうか. 

 『風鈴教授の優雅な推理』のシリーズもいいですけどね.これも設定とか内容がどうこうというよりも文章を楽しむという感じで,ある意味樋口有介に近い.

そこまで古くないところでは『完全無欠の名探偵 』(講談社文庫)とか.これは1時期,少年漫画にありがちだった才能はないけれども運が強くて周りに勝手に尊敬されてしまうヒーロー像の類のミステリー.アメリカで文芸創作を学んだ作家だけあってそれなりに読ませます.でも,『黄金色の祈り』の方が良かったことは前に書いた通りです.

 

叙述トリックものとしては,折原一の『倒錯の死角』 (講談社文庫)とか,もっとエグいものが好きなら『Jの神話 』(文春文庫)とか.あまり結末は好きじゃない.どっちかと云えば,赤川次郎の『静かな町の夕暮に』 (徳間文庫)沈める鐘の殺人』 (角川文庫)の方が後味が良かった気がする.ただ,赤川次郎はたくさん読んだけれども,以前も紹介した『プロメテウスの乙女』と『マリオネットの罠』が群を抜いている.

 

あとは毛色の変わったものとしては,ドラマのシナリオ作家だった野沢尚(確か故人)が若いころもろにStephen Kingに影響されて『ステイ・ゴールド』という本を書いていて,それが映画にもなったが,最初は角川から出ていたはずだけれども,今は幻冬舎文庫から出ている.割といい本だったはず.

 

まあ,これに合わせて,『僕の殺人』に続くこの2冊を挙げておけば,しばらく追いつかれることはないだろう.

美奈の殺人 (講談社文庫)

美奈の殺人 (講談社文庫)

 
昨日の殺人 (講談社文庫)

昨日の殺人 (講談社文庫)

 

今は外国のものは洋書しか読まなくなったが,以前は翻訳もの,特にフランスやドイツのものを読んでいたので,そのうちそういうのも挙げていくことにしよう.まあ,英訳が出て入れば,ぼくが読み返すというのもいいだろうし.

Like the Flipper's Guitar did フリッパーズギターを目指すということ

 今日,うっかりこんなのを買ってしまいました.

別冊ele-king コーネリアスのすべて (ele-king books)

別冊ele-king コーネリアスのすべて (ele-king books)

 

 この本の中でおおと思ったのは,

ー小山田くんにだいたいジャクソン・ブラウンみたいに地でロックをやっているという自覚はあるの? コーネリアスにはメタな感覚というか,音楽を愛しながら,冷めているというか,距離感があるじゃない.(略)

小山田 それは多少……いや,けっこうあります(笑). 

 ここ.ぼくは音楽は全くわかりませんが,ここの感覚はすごくわかるんですね.ぼくが英語の教材を世に出すときにかなり意識しているのはこの点です.学習者の求めるものを考えないわけはないけれども,それが全てではないし,特に現場の指導者に寄ったりすることもないし,一応,SLAとかTESOLとかでいいとされているのは尊重するけれども,別にそれを押し付ける気もないし,日本独自でやってきた英語教育の歴史とかは全く気にする気もないですし,同時に現在の改革路線に乗ろうという気もあまりありません.自分の感覚で面白いな,と思ったものは取り入れますが,ちょっと自分としては違うな,というのは手を出さないでおきます.ここ数年の話で云えば,元からマクロ視点からテキストを見るということは興味があったので「つながり(cohesion)」と「まとまり(coherence)」はできるだけ教材や文献を取り寄せて読んでいます.生き生きした表現に出会うとやっぱり気分がいいので「句動詞(phrasal verbs)」や「コロケーション(collocations)」や「話し言葉用のディスコースマーカー(pragmatic markers)」は気まぐれですが収集しています.元々「5文型」が大嫌いなので「意味順」の可能性に期待しています.

ただ,ぼくは「日英比較」とか「音読」とか「シャドウイング」とか「和訳」とか「構文」とかはあまり興味がありません.「多読」は基本的には支持していますが,あまり現在の日本の多読の推進者の人たちは好きではありません.それよりも,多読自体は時間をとって,その前後でどんなアクティヴィティーと絡めていくのか,つまり,多読自体は指導者としてはgraded readersというリソースの確保以外,ポイントはないと思っているので,それよりも多読をしたくなる,あるいはしているときにより「気づき」があるためには並行して何をするか,あるいは多読して得た知識が逆に他のスピーキングなどのタスクに直接的な効果を上げる方法とかを考える方が面白いのかな,と思っています(これは棚上げしていて答えを出していませんが).

でも,同時に,ここに書いた若干自分のこだわり的なことを含めてどうでもいいと思うことも度々です.企画ごとに要求される内容というのは色々異なっていくので,自分の思いを全て出していく本に入れられるわけではないからです.これは,出版社からこうしてください,とか云われる類のことだけではなく,単に一つの本というプロジェクトが処理できるコンテンツに限りがあり,自分の判断でバシバシ用意した情報を落としていくということをしなければならないからです.

まあ,そんな中でまずまずに仕上がっていけばいいかな,と思っています.今年度中に最低でもあと2冊は出します.もしかするともう2冊ぐらいいくかもしれません.

 

The idol made it. レイアウトは大事

 アイドルが800点を達成したようです.800点という点数は,かなり英語のできる人やTOEICに相当詳しい人たちから見れば「まだまだ」と感じられるのかもしれませんが,普通の人からすれば相当高い点数だと云えます.

【新形式問題対応】TOEIC L & Rテスト800点攻略ルールブック

【新形式問題対応】TOEIC L & Rテスト800点攻略ルールブック

 

で,アイドルが使ってくれたらしい,この本(↑)ですが,同時期に出した600点のものよりも売れているようです.で,何で売れているのか,というと,内容も著者としていい内容にしようとはしましたが,ぼくがこだわったのは普通の人が気づかないような箇所におまけで解説に例文を足したり,本文中の英語の中の問題に関係ないところに覚えてほしい表現を入れ込んだりという地味な作業です.

で,実際のところ,売上につながったのは有限会社ギルドの大橋さんが本文デザインをキレイに仕上げてくれたからだと思います.冗談じゃなくて,いやマジで.著者のネイムヴァリュー(そんなものぼくにはありません)と出版社の規模を除けば,本の売上はレイアウトやデザインでかなりの部分を決定すると思います.p18-30はルールにするためのページ数が多くなりすぎたなあ,と思っていたのですが,それを重く感じさせないように青で縁(ふち)取っています.こういう部分が内容を引き立てていくのだな,とつくづく感心します.

これから出す本もレイアウトやデザインをキレイに仕上げてくれたらいいな,なんて自分はIllustrator, PageMakerだか全く使えないのに思います.

 

 

 

The Basics of English for the TOEIC L&R『きほんのきほん』復刊はスリーエーから

この本が来月末に増刷がかかるようです.タイポなどちょっとした修正箇所を編集担当の人に送りました.

【新形式問題対応/CD付】 TOEIC(R) LISTENING AND READING TEST おまかせ730点!

【新形式問題対応/CD付】 TOEIC(R) LISTENING AND READING TEST おまかせ730点!

 

 そんな中,今していることは著者校正です.夏明けぐらいに本を出します.ひとつはやっと出せる『TOEIC TEST きほんのきほん』の復刊新形式改訂版.タイトルは『はじめての TOEIC(R) L&R テスト きほんのきほん』だそうです.新形式に合わせて7 Lessonsを新たに追加しました.初級者でも対応できる程度に文挿入の問題やチャットに出てくる口語表現への対応も入れてあります.初級者は他には本は要らないだろうという内容です.一応自習用ですが,教室で使いやすいようにさらにレイアウトに工夫を凝らしているので専門学校や大学・語学学校・企業研修でTOEICの初級者クラスを教えなければいけない人はぜひ手にとっていただけるとうれしいです.とはいえ,まだ本が出るまで数ヶ月あるのですが.版元はスリーエーネットワークというところです.