Write to Do the Right Thing

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「レンガ造り」か「塗り絵」か

何かしらの英語学習を行なわない限り、英語力は上がらない。 英語学習を行なえば、英語力は上がる。 誰しもこのことは解っている(はず)です。だけど、なかなか英語学習を継続できないのはなぜでしょうか。あなたがなまけものだから? 英語が難しすぎるから? 確かにそうかもしれません。しかし、それよりも、自分自身の英語学習の全体像が見えていないからだと思います。 本当はこれは英語だけではなく、学習(正確にはスキルの習得)すべてに云えることだと思いますが、残念ながら、他のことに述べるだけの背景知識を持ち合わせていないので英語学習についてだけ書きます。 まず、英語力とは何でしょうか。何の気なしに使うもののあまり意識せずにいい加減に使っているのでここである程度定義してみることにします。 英語講師や言語学者じゃなくても英語を少し身につけようと思った人は次のことぐらいは思いつきます。 言語の機能として、 Listening(聴く) Speaking(話す) Reading(読む) Writing(書く) がある。 (註・4技能をバランスよくやることがもちろん重要だが、一応、上から下の順番に習得するのが言語習得の基本的な順序であることも書いておく。だから、Writing→Speakingのような作業を初級者・中級者がすることをあまりお薦めしない) その他に、英語力をチェックする指針として、 pronunciation, rhythm, intonation(発音、リズム、イントネーション) grammar(文法) vocabulary(語彙力) などがある。実はこれより上の cultural awareness(文化背景の理解) rhetoric(修辞、ことばを効果的に使うこと) などがあったりするが、これは極めて上級のスキルとされます。 とにかくここまで来て云えることはたくさんあるということです。だから、学習者としては英語ができるようになりたいけど、「あれもやらないとこれもやらないと」圧倒されてしまい、挫折することもたびたびです。 このとき、この学習者の学習行為に対するイメージ(しつこいが、英語の発音は/ɪmɪdʒ/)はレンガ(bricks)を使って果てしなく大きな塔を作っているような作業になっていると思います。 実際、英語すべての能力を本当に身につけようと考えると、このように考えることは間違いではないのですが、これは長期的なものであって、もっと短期的には自分が身につけようとしている英語力を塗り絵(drawings in a coloring book)のようなものとして考えるといいのではと思います。 自分の短期目標を1枚の塗り絵と考え、その中に細かいスキルをセットしていきます。 たとえば、塗り絵全体がintermediate(中級、TOEIC600)前後とすると、
Listening(1分ぐらいのスピーチ、会話が80%ぐらいわかる) Speaking(今日したこと・考えたことを1分ぐらい、日本語を挟まずに英語で説明できる) Reading(Graded ReadersあるいはやさしいWeeklyの英字新聞の記事を読む) Writing(とりあえず、無視。とりあえず、マイナーな文法事項を除いて、ほぼ中学3年と高校初級レヴェルの文法を使った文は作れるようにする)
などと設定して、学習する教材、やること、量を決めて、1つずつの項目を終わったら、少しずつ塗りつぶしていく、ように考えるといいかもしれません。 (註・これは例であって、別に1つの塗り絵に4つすべての言語機能を入れる必要はありません。塗り絵の1ページがSpeakingという1つの言語機能ということも考えられます) 本当は実際にその塗り絵を作ったほうがいいのかもしれませんが、ぼく自身はそれは実はしたことがありません。ただ、少しそういうイメージを頭にもっているだけで学習がスムーズに行なえると思います。 特にTOEICは英語学習者にとっては、つぶしやすい塗り絵だと思います。少なくともスコアが860から900くらいまでは。ただ、1つの塗り絵がある程度完成したら、次のページに行くべきでしょう。ここで長期的視点、レンガによる塔の完成させる発想も忘れないことをお勧めします。でないと例えば、TOEICという1ページの塗り絵をずーっとやっていることになってしまうかもしれません。 これは昔別のところで述べたことを加筆訂正したのですが、その後、現役のTOEIC講師の方から次のような意見を戴いてすごく嬉しかったのを覚えています。
現在、TOEICのReading対策に特化したクラスを担当しています。(中略)おっしゃっている「やること、量を決めて、1つずつの項目を終わったら、少しずつ塗りつぶしていく」作業をさせるための「塗り絵」を、自分は作り、それを実践させていることに気づきました。全体の7割の受講生が、この塗り絵作業に真剣に取り組み、継続しています。 レッスン後に、受講生が英語学習に向かう状況をいかにして作るかが、レッスンと同じくらい(或いはそれ以上に)大切なことではないか、と感じています。