Write to Do the Right Thing

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基本とは何か

英語学習において、基本が大事だ、というのは誰もが1度は聞いた言葉でしょう。ぼくも無意識のうちに口にしたり、書いている言葉じゃないかと思います。しかしながら、何が基本かというと結構難しいです。これを少しずつでも把握していく努力をしないと、英語ができる人ができない人に云う説教に終わってしまいます。 ここでは、本当に、入門者・初級者が最初に身につけるべき知識を基礎と呼ぶことにします。言葉はいかようにも使うことはできますから、TOEIC990, 英検1級はおろか、通訳をしているような人が「いやいやまだまだ私なんか基本ができていませんから」ということもあり得ます。この人はうそをついているわけではないですが、この「基本」を入門者・初級者にあてはめるとややこしいことになります。 さて、この入門者・初級者にとっての「基本」ですが、定義するのは本当に難しいです。ぼく自身、この「基本」を効率的に教えられないか悩んでいますが、はっきりしません。もちろん、自分だけで悩んでもしょうがないので他の人に訊いたりします。しかし、納得いく答えを得たことはいままでありません。 ある人は「文法」だと云いました。会話をしようと云っても、英語の文法がしっかりしていないと、きちんとした正しい英語が話せず、教養ある英米人に馬鹿にされる、と云っていました。いや、「基本」を学んでいる状態で英米人に馬鹿にされるか、教養がどうか、考えてもしょうがないと思うのですが。はっきり云いますが、こういう人は何か勘違いをしています。『ロイヤル英文法―徹底例解』やPractical English Usageがすらすら読める人がいればその人はもう「基本」ができているのです。まあ、こういう答えをする人は英文法が好きなんでしょう。 「文法」という答えに次いで多いのが、「単語」です。しかし、これも同じ理由でぼくが探している答えではありません。「文法」にせよ「単語」にせよ、あるいは「発音」にせよ、この中で入門・初級者が知っていなければいけないものと上級者でもなかなか知らないものがあるのですから、こういう答えはすべて間違っているのです。 結構よく聞くのが「中学英語」という言葉です。これは、「文法」や「単語」というパーツ別の答えに比べてはずっとすぐれていると思います。ただ、これも意外と実態がつかみにくい言葉です。社会人になって英語をやり直す必要に駆られて悩んでいる学習者に「中学英語からやり直せ」という人がいますが、どうやり直せばいいのかがわからないから悩んでいるんじゃないですかね。 書店で英語教材を覗くと、「中学英語」という言葉が入っているものを見ますが、中を見るとどうなのかな、と思ってしまうものばっかりです。教材製作者には失礼ですが。やさしい口語体の言葉で書いているだけで、肝心の本質的なことを歯切れのいい説明をしているものはあまりありません。どちらかといえば、中学生用の教材をそのまま使った方がいいくらいです。 中学生用の単語集として、社会人の入門者にお勧めなのは、定評ある著者が作った『中学英単語でるでる1200―CDつき体で覚えるデータベース (Toshin books)』ほか、『例文で覚える中学英単語・熟語1800』『キクタン中学英単語高校入試レベル―聞いて覚えるコーパス英単語 (英語の超人になる!アルク学参シリーズ)』『高校入試短文で覚える英単語1700―CD付 (シグマベスト)』などであることは以前も述べました。文法については、数日前のエントリーで紹介したのに加え、『学研パーフェクトコース問題集 1 (1)』がいいでしょう。今日、書店に行ったので見てきました。 しかし、これらの参考書・問題集の使用法を考えながら、あることに気づきました。ぼくは、単語集は好きではないのですが、活用するからには、付属のCDをひたすら、例文を聴いて、同じように自分で声を出してみるretention、あるいは listen & repeat する練習が効果的だと考えています。本のほうはスクリプト代わりになります。これは、中・上級者が、TOEIC用単語集『新TOEICテスト スーパー英単語―5人のエキスパートが選んだ3000語』などを使って学習する場合でも変わりません。個人的には、見出し語の部分だけ聴いて、発音記号をディクテーション、あるいは即座に頭にIPA表記が浮かぶ勉強法もいいな、と思います。ところが、入門者の場合は、文法的な理解が追いついてこないので、この Listen & Repeat がかなりきついような気がしてきました。かといって、上(↑)に挙げたような文法のワークブックは語彙を覚えるようにはなっていない。また、実用的なことが学べる気がしないので面白くない。 できる人というのは、こういう使い勝手の悪さを飛び越えて、「基本」を身につけてしまうのでしょうが、そうではない人のために、「基本」を明らかにした入門者用の教材が必要かなとつくづく感じます。できる人にはどうでもいい話を長々と書いてしまいましたが、一応英語の先生を未熟者ながらやっている身としてはよく考えてみたいと思います。
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