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Write to Do the Right Thing

I create things and write about them here as well as other stuff. Views are always mine.

Discover how it is alive すべてはこれだけのために

2015年は教材執筆者としてはいい年だったと思います.たくさんの教材を出すことができたのですから.

CD付 TOEIC(R)テストおまかせ730点!

CD付 TOEIC(R)テストおまかせ730点!

 

9月にこの本がでました.この本の元本はユーキャンからでた本で,実に小さな界隈では高く評価して戴いたのですが,絶版になってしまいました.今回,別の出版社から大幅に加筆・修正する形で出すことができました.ただ,TOEICが来年5月から形式を一部変更するので,版元が望めば新しいテストを少し研究してから,改訂版を出せればなあ,と思います.ただ,そういうことを云っていられるほど売れていないような気がするので(すくなくともAmazonでは低迷中です),ご尽力いただいた出版社の方々には申し訳ないな,と思っています.

ただ,今回のTOEICの変更自体において,前後関係を読み取って空所を補充するものがリーディングに現れたり,会話のやり取りの場面状況を押さえたより自然な表現がリスニングのスクリプトに増えるなど,明らかに問題製作者側はcontext(文脈), discourse(意味を生み出す上でのことばの使い方),「つながり」と「まとまり」が解っているかどうかをチェックしたい,と考えているようなので,改訂がなされなくても,Part 3やPart 4を中心にこの本で細かく書いた本は形式変更後も役に立つと思います.

 さて,「つながり」と「まとまり」を前面に出した本としては,この本を出しました.本当は上(☝)の本より先に出る予定だったのですが,デザインの仕上げなどで時間がかかり,書店に並んだのは9月の最終日あるいは10月になってからだと思います.

英語スピーキングルールブック−論理を学び表現力を養う

英語スピーキングルールブック−論理を学び表現力を養う

 

 この本はものすごく時間をかけてやっと世に出したので,そういう本は最近のこの世の世知辛さを考えるとひょっとしたら例のごとく売れないかな,という不安もよぎったのですが,幸い,現場の高校の先生から高い評価を戴いたり熱心な英語学習者に気に入っていただいたうえ,ぼくの本ではかなり売れているほうです.12月半ばには増刷されましたから.

非常にうれしいことなのですが,同時に考えされられることもありました.この本は少なくても初級者や英語が苦手な人のための本ではないからです.もちろん,初級者や中級者ばかりでなく,上級者をターゲットにした教材が作られることは大切なのですが,気になったのは,TOEIC高得点者のようなある流動性のあまりない固まった層に英語教材の購買層や,もっと云えば教材製作が偏ってしまっているのではないか,ということです.

そこで,というわけではなく,それより前に準備は進めていたのですが,そういう層ではない本当の初級者に英語が少しでも活き活きとして見える本を,と思って知り合いの中川浩先生と一緒に,数年前から気になっていた京都大学の田地野先生「意味順」モデルを使ってより多くの人が身につけたいと思っている(と思われる*1)英会話をテーマにした本を出しました.

「意味順」で学ぶ英会話

「意味順」で学ぶ英会話

 

この本を書いている最中に考えされられたのは,著者だから仕方なく

We have to get out of the building by five.

(私たちは5時までに建物から出ないといけない)を

Who

Does/Is

Whom

What

Where

When

We

have to get

 

out of the building

by five.

上のようにすることは適切かとか考えたりするわけですが,

学習者目線で感がれば,意味順はWho Does/Is Whom/What Where When (How) (Why)で英語を処理できることが目的なので分け方にこだわりすぎるより,学習者が固まりごとの語(句)のイメージをきちんとつかんでいくことや要素ご との意味関係に注意を払えるようになることが大事なわけです.

「意味順」とはそれさえできれば,その後まったく考えないようなものではなく,それを中心に据えることで,文構造系の全体像を見失うことがない安心感を学習者に与えることで,彼らの学習進度に応じて語彙やミクロのしくみ(文法事項)に注意を払えるようになっているのだなあ,とつくづく感心しました.

とにかく,「意味順」や「つながり」「まとまり」などを繰り返し口にしても,極端な云い方をすれば,それ自身が単独で重要だというよりも,それぞれの学習者が目の前に触れている英語がふっと「わかる(かならずしも頭でとは限らない)」「なじむ(身近に感じる)」という瞬間が訪れる*2ためのしかけのようなものなので.

とにかく,使って戴いた学習者にそういう瞬間が訪れることを願ってやみません.

 

*1 多くの日本人が英語を話したいと考えているという統計が存在するわけではありません.「なんとなくできたらいいな」と考えている人はそれでも多いのでは,と感じているに過ぎません.

*2 個人的には「英語の神様が微笑む」という云い方をするのですが,あまり気に入ってもらえていないようです.