Write to Do the Right Thing

I create things and write about them here as well as other stuff. Views are always mine.

You're not gonna take a one-way route. 一方通行は怖い

 

クイズでマスターするGSL基本英単語2000

クイズでマスターするGSL基本英単語2000

 

 英語学習において「まずは単語」とよく云います.個人的には,あまり単語という云い方は好きではなくて,語とか語彙とか云いたくなりますが,それは置きましょう.で,「まずは単語」と云った場合,その言葉が何を意味するのか,というのは人によってさまざまなので毒にも薬にもなり得るアドヴァイスだと思います.

基本的に,多くの学習者は,文脈を無視して,

reimbursement 「払い戻し」

のように暗記し(たがっ)ています.だから,それを否定する人がでてきます.しかし,その人たちは「語彙よりも文法」の方が大事と云って,「文法(syntax)=文構造の解析」を文脈(context)の中で切り離されたかのもののように扱う場合もでてきたり,多読(extensive reading)で語彙を身につけられるといいながらも,語の意味が解らないから内容が解らない部分について無視していたりといろいろ難しい問題がでてきます.

で,こういう部分で議論をしている人たちもいるのかもしれませんが,実のところは関心がありません.これを書くと偉そうな云い方になってしまって嫌なのですが,自分の中ではある程度答えがでている問題だからです.

ところで,話をわざと逸らします.去年出した『論理を学び表現力を養う 英語スピーキングルールブック』と『「意味順」で学ぶ英会話』は自分にとって大事な本です.以前書いたように『プレジデント』誌というビジネスパースン向けの雑誌に掲載されたことで後者は心配してたけれども第2刷に進みましたが,正直もっと売れてほしいと思っています.営業はあまり著者がすることではないとぼくは思っているので,これらの本のフォローはそれぞれの続編を出すことで対応しようかな,と考えていて準備を進めています.

で,何が云いたいのかというと,実はぼくの中ではこの2つの本はぴったりつながっている企画なんです.『スピーキング本』が「つながり(cohesion)」と「まとまり(coherence)」という英語を生み出す要素をマクロから見たものなら,『意味順英会話』はミクロから見たものです.ここで大事なのは,マクロ→ミクロ,ミクロ→マクロという一方通行で英語を見るのではなく,マクロ⇔ミクロのようにものをみることが大事な訳です.

英語の文章(text)を読みながら各々の語を覚えていくというやり方は,それそのものは多分にいい部分もあると思うのですが,マクロ→ミクロという方法でしかものを見ていない,というところに限界があります.まあ,単語や文法を細切れで学ぶ方法は,ミクロ→マクロ,ともなっていないし,ミクロの中で止まっている訳で,これはマクロから流れていくような勉強とシンクロしていきません.だから,単語集でたくさん語彙を増やしたはずなのに英文が話せない,書けない,はおろか,読めない,聴けない,という人がでてくるわけです(あまり読む練習をしないでも,単語を覚えるだけでスラスラ読める人はまれにいます.ただ,多数派ではないと思います).

自分の個人的な考えとしては,日本の英語学習/教育だと機能語や基本動詞の学習を「文型」と「品詞」という文法に任せすぎている気がするので,実際は前置詞や冠詞,基本動詞が取り得る文構造(正直ぼくはあまり好きではないのですが,Hornby式に云えばverb patterns「動詞型」)ってgeneralなルールだけで片付けられるものではないから,語彙学習と捉えたほうがいいような気がします.語彙もミクロからマクロを見るような感じで学習すれば,一方通行から双方向の学習になっていいんじゃないかな,と思います.

特に,いちばん上(↑)にあげた日向先生の新刊も,語彙の本ですが,日本英語教育の伝統としては文法として扱われている事項も入っています.まとめると,細かい方法論を問うのはぼくは嫌いなので(和訳がいいとか悪いとか,英語は英語で処理するべきだとかするのは危険だとか),マクロである「つながり」や「まとまり」がどう文構造や語彙の選択に影響を与えるのか,という見方と,ミクロである語彙や文法が英文の意味やニュアンス,コミュニケイションにどういう影響を与えるのか,という見方の2つをバランスよく組み合わせた学習がいいんじゃないですかね.あくまで個人的な感想ですが.