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CD付 知られざる英会話のスキル20

CD付 知られざる英会話のスキル20

 

 英語学習や英語教育においてはそれぞれの人がそれぞれの考え方があります.ぼく自身は,その人の本職はともかく,なんだか英語教育のコンテンツに本来関わる人たちが現行の英語教育改革に反対であれ賛成であれ,アジテイターになっているとなんだか引いてしまうというのが正直な気持ちです.専門知識を提示するという役割と決断をする役割というのは本来別の人がやるべきことではないか,とつくづく考えているからです.

まあ,そうとは云え,実際に学習者に触れる人たちからすればなにか云いたくなるのが人の性(さが)というものです.このとき,政治状況を考えればわかることですが,もし,市井(しせい)の人が自分たちの意見を少しでも通したいということを優先するなら,普通なら少し考えの違う人とも共通点を探して共闘するということも必要になってくるのだろうな,と思います(註・「共闘しろ」と云っているわけでも,思っているわでもありません.念のため).

ただ,たとえば,現行の英語公教育(中学・高校などの学校教育での英語の授業とそのカリキュラムにそった学習者の自習)と英語非公教育(民間の英会話産業などはもとより,社会人になってからのTOEIC対策やMBA留学などをする人の勉強なども含む)であれ,明らかに「よりまし」があるとすれば,話し言葉についてのしくみやきまりをもっと学習することだとぼくは思います.例えばですが,ぼくは詳しくないですが,いいか悪いかはともかく,中学生が高校受験するときに受ける英語のテストの長文問題と呼ばれるものは会話を完成させることだったりするようです.では,そこでの会話が実際の英会話の原則を押さえたものであるほうが,文法と語彙を詰め込んで,強引にAさんとBさんのダイアローグにでっちあげたようなものよりいいに決まっていると思います.個人の考えは自由ですが,この辺はインプットとしての「読み」が何より大事だ,訳読が悪いとは思わない,と考えるような旧来型(と外側からは分類されてしまう)の学校や塾の先生でも賛成してほしいところです(註・実際のところ本当に保守的な英語学習観を持っているのは学校や塾の先生ではなかったりしますが,そういうことはまた別の機会にします).

で,話し言葉と云いだすと勝手にフレーズ集がどうこうだとか,そういうことに持っていかれてしまいがちですが,シンプルに質問をつくるスキルとかそれにどう答えるのかとか,会話をつなげるとか,あるいは,Oh, Well,などの小道具の使い方とか,本来明示的な指導がどうとかいう人に限って,こういうのはしゃべっているうちにできるようになる,と思っていたりします.

でも,この部分もすべては扱えないけど,原則を学んだほうがいいし,明示的に示さなくても「気づき」のきっかけぐらい,与えたほうがいいと,というか,いわゆるダイアローグが原則に従っていない,という問題をひとつひとつ片付けていったほうが…,などという部分が最近気になっています.で,とりとめのない話ですが,気になった人は上(↑)の本を入手することをお勧めします.日向先生は英語のあらゆるジャンルにすぐれた本を出していますが,ぼくが1冊ベストのものをあげるならこの本だと思います.最近,このテーマについては自分の本の基礎編を書いていて,そのためにPragmatics(なぜか「語用論」と訳しますが,ぼくは嫌いです.ことばがどのように実際のコミュニケイションにおいて使われているかに関する学問のことです)の本を読んでいるのですが,そういう内容が日向先生のこの本では良く拾われているな,と感じます.