Subscribed unsubscribe Subscribe Subscribe

Write to Do the Right Thing

I create things and write about them here as well as other stuff. Views are always mine.

How they are different やっぱり少し違う

pedagogical grammar

 新学期から,大学や中学校などでテキストにしていただけるという情報が少しずつ入ってきて,著者のひとりとしては光栄です.

「意味順」で学ぶ英会話

「意味順」で学ぶ英会話

 

 ところで,「意味順」について思うことは,基本的に良い・悪いという判断はさておき,「5文型」と較べた場合,発想そのものが少し違うな,と思うことです.

それは,インプット(理解・受信)向き,アウトプット(生み出すこと・発信)向きということともちょっと違うと思います.「意味順」をインプット系のactivityに使う発想もあり得ますし,「5文型」を和文英訳などアウトプット系のactivity(厳密には和文英訳はアウトプットとは違うとぼくは考えていますが,あくまでこれは例に過ぎません).

最大の違いは,分類を意識させることを前提としたアプローチが「5文型」であり,どちらかというと,処理そのものはするものの,構造(語順)の定着は,英語を触れる機会,使う機会に任せるアプローチが「意味順」なのだと思います.

ぼく個人は,「意味順」を推しているので,「5文型」を勧めることはありません.ただ,そのぼくでさえ,論理的に幅広い学習者を想定すれば,この部分だけではどちらがいいかは人次第だと思います.分析が好きな人もいれば,実践が好きな人もいるわけですし.

それよりも,「意味順」「5文型」どちらを使っても直接は扱わない次元の文法項目で,「意味順」の手頃さを感じます.例えば,「限定詞」特に「冠詞」などです.

基本的に,「数えられる名詞」「数えられない名詞」の区別は基本的な語についてはある程度知識がないと結局苦しくなるような気はしますが,それでも,ネイティヴスピーカーの頭の中がOALDのような[U][C]の区別をして整理されているようには思えません.

辞書に載っている裸の形での「名詞」(あえて無理やり日本語にするなら「Xというもの」「Xという単語・概念」になるのでしょうか.この段階では数えられる・数えられないということは考えていないはずです).で,これを使用状況(このことを「文脈」とかcontextと呼びます)に合わせる形で,a, some, the... といった限定詞をつけたり,つけなかったり,複数形にしたり,そのままにしたり,と変化していくわけです.で,このcontextというか使用状況に合わせて英語のセンテンスというものができていく過程は,やっぱり「意味順」のほうが「5文型」よりも実際の英語感覚に近いんじゃないかな,と思います.

「(限定詞)+(形容詞)+名詞」が名詞のカタマリを形成しますが,「(助動詞)+動詞」で形成される「動詞のカタマリ」についても同じことが云えます.これも,tense/aspect(動詞の時制と時間の幅)もはっきりした形がないものをcontextに合わせていく感じです.文法事項そのものというのは,あまり英語使用経験によって差は出なくて,そういう経験がなくても文法知識は身につきます.しかし,結局,この適切な状況に形(文法)を選ぶというところで使用経験の差が出るような気がします.ぼくは「意味順」がこの使用経験に近い疑似体験を与える機能があるのではないか,と期待しています.

で,もちろん「副詞の働きをする長〜いカタマリ」である<かかってつなぐ接続詞+S+V(このことをclause,節と呼ぶのですが,個人的には句も節もまた定義しなければいけないのであまり使わないようにしています)>を使う「仮定法」「比較」,それから「形容詞の働きをする長いカタマリ」である「関係代名詞から続くカタマリ」なども結局,センテンスをcontextに合わせる難しさなわけです.残念ながら,ここでは詳しく書けませんが.

で,結論を戻せば,「意味順」と「5文型」の違いは,前者はどちらかというと文構造を意識させない文構造の学習法みたいなところがある,ということです.狐につままれたような話かもしれませんが.