Write to Do the Right Thing

I create things and write about them here as well as other stuff. Views are always mine.

Like the Flipper's Guitar did フリッパーズギターを目指すということ

 今日,うっかりこんなのを買ってしまいました.

別冊ele-king コーネリアスのすべて (ele-king books)

別冊ele-king コーネリアスのすべて (ele-king books)

 

 この本の中でおおと思ったのは,

ー小山田くんにだいたいジャクソン・ブラウンみたいに地でロックをやっているという自覚はあるの? コーネリアスにはメタな感覚というか,音楽を愛しながら,冷めているというか,距離感があるじゃない.(略)

小山田 それは多少……いや,けっこうあります(笑). 

 ここ.ぼくは音楽は全くわかりませんが,ここの感覚はすごくわかるんですね.ぼくが英語の教材を世に出すときにかなり意識しているのはこの点です.学習者の求めるものを考えないわけはないけれども,それが全てではないし,特に現場の指導者に寄ったりすることもないし,一応,SLAとかTESOLとかでいいとされているのは尊重するけれども,別にそれを押し付ける気もないし,日本独自でやってきた英語教育の歴史とかは全く気にする気もないですし,同時に現在の改革路線に乗ろうという気もあまりありません.自分の感覚で面白いな,と思ったものは取り入れますが,ちょっと自分としては違うな,というのは手を出さないでおきます.ここ数年の話で云えば,元からマクロ視点からテキストを見るということは興味があったので「つながり(cohesion)」と「まとまり(coherence)」はできるだけ教材や文献を取り寄せて読んでいます.生き生きした表現に出会うとやっぱり気分がいいので「句動詞(phrasal verbs)」や「コロケーション(collocations)」や「話し言葉用のディスコースマーカー(pragmatic markers)」は気まぐれですが収集しています.元々「5文型」が大嫌いなので「意味順」の可能性に期待しています.

ただ,ぼくは「日英比較」とか「音読」とか「シャドウイング」とか「和訳」とか「構文」とかはあまり興味がありません.「多読」は基本的には支持していますが,あまり現在の日本の多読の推進者の人たちは好きではありません.それよりも,多読自体は時間をとって,その前後でどんなアクティヴィティーと絡めていくのか,つまり,多読自体は指導者としてはgraded readersというリソースの確保以外,ポイントはないと思っているので,それよりも多読をしたくなる,あるいはしているときにより「気づき」があるためには並行して何をするか,あるいは多読して得た知識が逆に他のスピーキングなどのタスクに直接的な効果を上げる方法とかを考える方が面白いのかな,と思っています(これは棚上げしていて答えを出していませんが).

でも,同時に,ここに書いた若干自分のこだわり的なことを含めてどうでもいいと思うことも度々です.企画ごとに要求される内容というのは色々異なっていくので,自分の思いを全て出していく本に入れられるわけではないからです.これは,出版社からこうしてください,とか云われる類のことだけではなく,単に一つの本というプロジェクトが処理できるコンテンツに限りがあり,自分の判断でバシバシ用意した情報を落としていくということをしなければならないからです.

まあ,そんな中でまずまずに仕上がっていけばいいかな,と思っています.今年度中に最低でもあと2冊は出します.もしかするともう2冊ぐらいいくかもしれません.