Write to Do the Right Thing

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What is the right thing, anyway? 結局何が正しいのか

この本は2年を待たずに増補改訂されています.ぼくはこの本を持っていないし,立ち読み程度に内容を把握しているに過ぎません.はっきり書いてしまえば,ぼく個人にとっては必要がない本です.高校などで習う「受験用英文法」に不適切な説明や足りない箇所があって補う,というような考え方は賛成なのですが,どちらかというとやたらと新しい文法用語を作り出してしまっているような気がするからです.一般的な学習者には『イメージでわかる表現英文法 (「英文法の本質」をビジュアルで解説)』の方がずっとわかりやすくて良いと思います.しかし,今日書きたいことは田中茂範先生の英文法の整理の仕方のものではありません.良い英語教材を作るために各出版社がしていた(している)のであろうことについて少し書いておきます. 

表現英文法[増補改訂第2版]

表現英文法[増補改訂第2版]

 

 ぼくが注目しているのは一番最初に書いた通り,改訂のペースです.通常の感覚でいうと,この改訂ペースは速過ぎです.もちろん,本の質を高めるにはそれぐらいのことをした方がいいのですが,コスモピアがどういう処理をしたかはしりませんが,もし,彼らが,新しい版を出すごとに古いものを市場に出回らないように廃棄処分しているとすればほとんど利益を上げていないことが推測されます.

それではなぜこうしているのか,というと田中先生のような一流の先生が本を書き続けるような環境を整えるのが公共善だと考えているからだとぼくは推測します.実は,コスモピアの前はずーっとアルクがこの役をしていました.

英語教育は文化・芸術の域にまで達しているものだとはぼくは考えませんが,ヨーロッパの芸術家や研究者が大昔から王様・貴族などのパトロンを見つけて優れた芸術や科学の発見を行なったのと同じ構図です.これはぼくの推測に過ぎませんが,研究社や講談社がケリー伊藤さんなども同じような感じだ(った)と思います.

ぼくは出版社がこうやって著者を育てていくことは大事で必要なことだと思いますが,同時に,かなり初期の段階でこういうように丁重に扱われる著者とそうでない著者が出てくるのもなんだかなあ,と考えることもあります.もし,そういうパトロンを見つけられなければ,抜群の企画力と営業力(最近ではセルフ・ブランディングというらしい)で次々と出版していかなければいけないのですから.晴山陽一先生のように,編集者出身だった人は売りどころがわかっているかもしれませんが,特に本来研究者の人はそういうの苦手だったりするので苦しいところですよね.で,例外として,高い語学力を持っている上に,自分から面白い企画をガンガン売り込んでいけるタイプの先生に高橋基治先生がいます.でも,こんな先生はわずかですよね. 

マンガでおさらい中学英語 英文法マスター編

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