Write to Do the Right Thing

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Pragmatically Concerned 理論を応用するということ

最後のプロフィールを見ると,ぼくの専門がPragmaticsとCritical Thinkingになっていますが,ぼくは英語の先生でも研究者でもないので,はっきりとした専門があるわけではありません.

ネイティブなら小学生でも知っている会話の基本ルール

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ただ,本の後ろの参考文献を見ていただくとわかるのですが,ある程度はPragmatics(語用論と訳すようですが,ぼくは嫌いです.英語学専攻の人が「語の用法」の学問だと勘違いしていたことがあります.こういう人を嗤うのは簡単ですが,自分の専門以外のことになるとそんなものだと思います)の知識を教材作りに行かせないか,と今回の本では試みました.

SLA(Second Language Acquistion, 第2言語習得理論)の成果を取り入れて」とかいうのはなんかカッコよくてついそういうことをキャッチ・フレイズに使いたくなりますが,実際にそういうことをするのはそれほど簡単ではないと思います.

それどころか,Pragmaticsの研究をしているような英語の先生が,実際のコミュニケイションに使われているかどうかなんかは教える必要がない,とにかく単語と文法ばっかりやっていればいいということを口にしているのを何度も耳にしたことがあります.

そこまで云われるとがっかりしてしまうのですが,実際,彼らが研究していることというのが,form(形式,ざっくり云えば「文法」のこととも云えなくもない)だけを意識してコミュニケイションを試みての失敗例(簡単に云えば,日本語からの類推で知っている単語と文法でセンテンスを作ってネイティヴに話しかけられたら,通じないか,誤解されたりするようなこと)ばかりだったりします.で,こういう例を教えてもそもそも十分なインプットのない学習者には提示しにくいわけで,その結果,本来ならば「コンテクスト(context, 文脈)を理解してのことばの選択」がなぜか「『した方が良い』でhad betterを使うのは誤り」的な公式を教えてgrammarとcommunicationを融合したように感じている人もいます.

そういうんじゃなくて,もっと基本的なことを学んでいる学習者には,英語でのコミュニケイションの概要を簡単に見せる方が大事だと思うので,そういう意識からこの本を書きました.『「意味順」で学ぶ英会話』(JMAM)ではやさしすぎ,『論理を学び表現力を養う 英語スピーキングルールブック』(テイエス企画)では難しすぎる,という学習者を主に想定しています.日向清人先生の『CD付 知られざる英会話のスキル20』(DHC)や高橋朋子先生の『[CD付]人間関係をつくる英会話--日本人が知らなかった30のルール』(コスモピア)より下のレヴェルの学習者に照準を合わせています.discourse markersの重要性はなんとなくわかっても,そのあとに続くごくごくフツーの英語が出てこないという人に役に立てればな,と思っています.