Write to Do the Right Thing

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「基礎」「基本」とは何か

最近すっかり新しい記事は書いていないですが,自分が考えていたことを整理しながら,いましなければいけないことに取り組もうとしているのでこういう記事を次々リサイクルしていきます. よく英語学習で「基礎が大事」のように云う人は多いと思います.ぼくもおそらく何度か口にしたことがあります.しかし,「基礎」ってなんでしょうね.ぼくはこのことについて何度も何度も考えてきました.いま,基礎を学んで戴く教材をつくっているので,また考え始めましたが,幸い以前,具体的な答えにはたどり着かなかったものの,ある種の方向性を見い出すことができましたのを思い出しました. このエントリーはあまり初級者について書かれたものではないですが,まあ,上級者が初級者のことをふだんどう見ているのか,など参考になることも書けたと思っているので初級者はよければお読みください. そう,このエントリーは上級者のあなたのために書かれたものです.少し古い記事でかなり長いですが,ぜひお読みいただければ幸いです. このご時世だから,結論を先に書くことにします.基礎とは,「上級者は当たり前のようにできるんだけれども,初級者は身につけていないこと」を意味します.この定義はこそまさに「当たり前」ですが,ここには基礎を語ること,教えることの難しさが含まれています.逆に基礎ではないものについて書きます. 1) 特定のスキルリーディング(「速読」「精読」に分ける人も)」「リスニング(これをなぜだか「インプット」と呼ぶ人もいます)」「スピーキング(「英会話」と一般的にはいいます.中学校・高校では「オーラル・コミュニケーション」とかよばれるようです)」「ライティングこれらはスキルなのであって,このひとつが基礎だとかいうことはできません.このことは当たり前のようでできていない人がいます.「リスニングがすべての基礎」というような云い方をすることはぼく自体もありますし,他にもいると思います. 同時に「文法」「語彙」「発音」などもこれらのひとつを「基礎」と呼ぶ人はなんか勘違いしています(「文法」を基礎としてしまうこともおかしさは以前書きました).これらのうち,ひとつを完璧にすれば,他のことができる,ということはなかなかないし,大体「完璧」になるというのはいつの話なのか,という問題もあります. 2) 学習方法,またはアプローチ自体 世の中にはたくさんの外国語学習法があります.「やさしい本をたくさん読む」「文法・語彙を固めて英文を読む」「ネイティヴとひたすら話す」「日本語を頭から追い払い,英語で考える」……わざと特定の学習法の名前は書きませんが,これらはアプローチの仕方であって,基礎ではありません. 「毎日少しずつやる」「同じことを繰り返す」とかも学習法に対するアドヴァイスであって基礎ではないです. この辺をごっちゃにするのはよくないと思うんで,バッサリ切っておきます.念のために,書いておきますが,これらは「基礎」でないだけであって,「不必要」とかそういうことを云っているんじゃないですよ.「上級者」が薦める学習法の落し穴に対するアプローチ論を書いたこともあります.興味のある人はお読みください. この2つは少し意識すれば,勘違いは減っていくでしょう.次に,「基礎」かもしれないけれど「基礎」ではないかもしれないもの,について書きます.これが一番やっかいなことです. 3) 上級者にとってかつて難しかったもの 大概,上級者である(はずの)英語講師や英語教材製作者がやってしまうのはこれです.自分がかつて難しいな,と思っていたこと,やっと理解したこと,を教えます.しかしながら,学習者にとってそのことがいいかどうか,っていうのはわからないんですね.ひょっとすると,それをすることは学習者に同じような躓(つまず)き方を強要しているのかもしれません.初級者でもそこをさっと越えてしまう人がいないとも限りません. ただ,ぼくの経験上,多いのは,「上級者にとってかつて難しかったもの」というのは初級者にはやっぱり難しすぎる,ということです.教材を製作するとき,あるいは英語を教えるとき,どれだけ,自分が当たり前にできることを内容に入れられるかが勝負と云っても過言ではないです.だけれども,これは自分が「当たり前」だと思っているだけになかなかうまく説明できなかったり,その存在すら気付かなかったりします.だから難しいのです. しかし,これができないと,人は 1), 2), 3) のどれかを基礎とすることで逃げます.しかし,はっきり云えば,初級者はこのことでかなり迷惑すると思います.自分を棚に上げて,かなり思い切ったことを述べました.しかし,真面目に書いたので,できれば,多くの英語講師や英語ライターの方に読んで戴ければ幸いです. 今回書いている本では,「当たり前」のことをいくら入れられるかで勝負することにします.
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