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Write to Do the Right Thing

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初級者用の本を出した理由 <2>

TOEIC(R) TESTおまかせ!650点  (ユーキャンの資格試験シリーズ) [単行本(ソフトカバー)] / Yosuke Ishii/Vickie D. Winston (著); ユーキャンTOEIC(R)テスト研究会 (編集); U-CAN (刊) 今度の日曜日は,TOEICの試験があります.試験の後に,がっかりして,本屋さんに立ち寄って新しい本を買うという学習者も多いと聞くので,そういう人たちが『TOEIC TEST きほんのきほん』を購入してほしいところです. 編集者から聞く話では,書店ではまあまあ売れているそうですが,Amazonでは,あまり売れていません.以前書いたように,ある程度,予想していたこととはいえ,本音を云えば,少しがっかりしています. お金があまり入ってこないからではありません.もともと,TOEIC書籍,いや英語全般としたとしても,本の執筆のみで食べていける人は『英語の見方が180度変わる 新しい英文法』の晴山陽一さんなど限られた人だと思います.英語教材の書き手の本の多くは,金銭とは違った理由で書いています.ひとつには,業績として認められるということがあると思いますが,それには売れなければいけない,という条件がつきます(苦笑).ただ,まったく売れなくても,本を書くということは確か酒井穣さん(英語関係の著書は『ビジネス英会話のプロがやっているシンプル英語学習法)』や『捨てる英語、拾う英語 (アスカビジネス)』の井上大輔さんがどこかで書いていたように,自分の考えを整理して,ひとつの軸にまとめるということであり,その過程の中で自分の実力が相当上がります.ぼく自身もこの本を書くことでいままで解らなかったことがわかるようになった,ということが多々あります.こういう学びは学校に行ったりすることでは得られないことで,お金を払ってもいいぐらいの気持ちでいます.実際には,払いませんが. しかし,実際に少しがっかりしている,というのはどういうことなのか,というと過去の反省をしたはずなのに,それがあまり生かされていない気がするからです.ぼくは,以前,上(↑)の『TOEIC(R) TESTおまかせ!650点』という本を書きました.自分で云うのも何ですが,この本は自分がTOEICに知っていることのすべてを当時から少しずつ英語教育の専門家の間で話題になりはじめていた,英文の話し手や書き手が聞き手・読み手(情報の受け手,英語では一般的にaudienceといいます)のためにするコミュニケーション上の工夫という視点にからめながらまとめた本で内容には絶対の自信がありました.有名な著者が書くベストセラーとまでは行かなくてもそれなりに売れると思っていました.しかし,……結果は散々でした.版元が初版1刷(「いちずり」と発音するそうです)の売り切れを待たずに,2刷を出すことをやめてしまいました.これを業界では「廃刊」と呼ぶそうですが,一般的には「絶版」といいます. で,なんでこのような結果になったのかというと,ぼくが認識している限りにおいて,理由は大きく分けて2つあります.ひとつは,必ずしも密度の濃い情報を情報の受けては選択しないということです.『TOEIC(R) TESTおまかせ!650点』は決して難しい本ではありませんが,初級から中級レベルの情報はかなり限られたスペースにいろいろ工夫して入れたのですが,読者はそのことにまったく気づかなかったことです.また,決定的だったのは,地元の本屋さんで,TOEICの勉強をしなければいけない高校生がこの本を手にとったときに,「こういうきちんと勉強しない,って感じがする本ってやなんだよな,実際買っても勉強しないし」という言葉を残して棚に戻したことです.ぼく自身はきちんと学習してもらおうと思って本を書いたのですが,潜在的な読者は本を買うときにそういう受け取り方をするんだ,ということです.で,これについては,今回の『きほんのきほん』では1課ごとに,集中するべきポイントはひとつに絞ってあるので(これを共著者のKarl Rosvoldはテニスのレッスンと同じと表現していました),初級者でも取り組みやすいと思います. 2つめは,ぼく自身がほとんど営業をしなかったことです.いい本を書けば売れるものと勝手に思い込んでいました.『TOEIC(R) TESTおまかせ!650点』が刊行されてすぐ,知人を通じてさるTOEIC対策の第1人者が沖縄でパラパラとこの本の出来を見てほめてくれたという情報が入ってきたときもまあ,どう対応すればいいかわからなかったこともあり,何もしませんでした(というか,今も何もしていません).まあ,こちらにはこちらの事情があって,その後,休むまもなく,『1日15分で730点 TOEICテストの押さえドコ』を書いていたこともあるのですが……. 営業の必要性を痛いほど思い知らされたのは,たぶん,5月の終わりのある日,そのときは,確か,『きほんのきほん』の原稿を出版社に送って著者校正用のゲラが仕上がっていることを待っている間だったと思います(余談ですが,結局ゲラが届いてからも,ぼくとKarlは通常では信じられない回数の校正をしました.編集者の人も大変だったと思います.まあ,そういうご迷惑に恩返しする意味でも売れてほしいですね).東京に,教材研究(TOEICではない)の本を探しに出たついでに目に付いた『TOEIC(R)テストこれから始めて高得点を狙う本』という本で自分の本が紹介されているのを知り,非常にうれしく思いました.実は,ヒロ前田さんにはこの本の内容を非常に評価して戴いて,その後1度お会いしたこともありましたが,実際市場で売られている本で別の著者の方に紹介されるのは始めてだったので喜びはまた格別でした.非常に興奮しました.また,『TOEIC(R) TESTおまかせ!650点』が売れれば,その流れで『きほんのきほん』も売れるのでは,と思って期待したりもしました. しかし,ぼくを待っていたのは,非常に自分にとっては悲しいニューズでした.ちょっと後にAmazonでじこの本をチェックしたら在庫切れになっているので,当時の編集の人に状況を問い合わせたら,出版社が廃刊を決断したことを知らされました.正直これはものすごくショックでした.はじめて,書籍ビジネスの厳しさを知りました.そこで,一緒に本を書くときになったとき(実はずいぶん前です)Karlが云っていた
Let's do two things: 1. Write a good book. 2. Try to make sure people know about it and buy it!(2つすることがある.良い本を書くこと.みんながこの本の存在に気づき買ってくれるように努めること)
を思い出してハッ,としました.そうかあ,本を書くだけじゃダメなのか……,と. ただ,営業といっても,自分が苦手でそれほど才能がないことをやってもしょうがないんですね.たくさん人に場当たり的に会って,自分の顧客になってくれるように話をする.Karlはそういうのは得意ですけど(実際,知り合いのTOEIC関係者の人たちに加えて,結構たくさんの人にコンタクトをしてくれているようです),ぼくは,どちらかというとひきこもり(英語ではshut-in)気味で,知らない人に会うのは極度に苦手です. そこで,『きほんのきほん』を買ってくれるしくみを作ることを少しずつ始めました.この本に興味を持ってくれた人を中心に献本をしながら,少しずつ売り上げを伸ばす方向に協力してくれるように頼んだりしています.『きほんのきほん』は教室内での使用に最適な本なのでなるべく大小を問わずTOEICクラスのカリキュラム担当者や講師へのアクセスも続けています. ただ,現在,売り上げがネットで伸びていないということは,少なくともこのやり方ではネットの売り上げにはあまり貢献しないということです.書店での購入や指導者が自分の教室内使用のために発注するときと違って,ネットでの売り上げは比較的短期間で効果が現れ始めるはずだからです. ぼく自身は『きほんのきほん』も『おまかせ!650点』同様,内容には自信があるので,徐々には売り上げは伸びていくだろうとは思います.ただ,ぼくの目標である,TOEIC受験者・学習者の半数を占める低得点者層に適切な素材を作り,手渡すという流れをつくるところまでには不十分な数字です.その流れで,ひそかな第2の目標(書いてしまったらぜんぜんひそかではないですが)である『おまかせ!650点』を別の版元からの復刊を比較的早い時期に実現させようと思っています. 上の目標を達成するために次の策を練ります.ただ,これを読んでいるみなさんのなかに『きほんのきほん』や『おまかせ!650点』の読者(教材だから,「読者」は少しヘン「利用者」「ユーザー」でしょうか)内容を気に入ってくれた方がいらっしゃったら次のことをお願いしたいと思います. 1)なにかのネット媒体で紹介してください.ブログでもFacebookでもTwitterでもいいです.もちろん,レヴューのような長いものを書いてくださる大歓迎ですが,なかなか難しい場合は短い感想のようなもので構いません. 2)その際,明確に『TOEIC TEST きほんのきほん』と署名を明記し,できれば,Amazonへのリンク(固定リンクはhttp://www.amazon.co.jp/dp/4877316833)を入れていただけると幸いです. その他,教室内でこの本を使っていただける英語講師の方たちのために『きほんのきほん』のTeacher's Manual(ネイティヴが利用する可能性も考え全文英語)をKarlと作っています.完成次第ネット上で無料ダウンロードできるようにしたいと思います. TOEIC TEST きほんのきほん:  どう勉強していいかわからない超初心者に、一歩一歩道筋を示します [単行本] / 石井 洋佑, カール ロズボルド (著); 国際語学社 (刊)